新型コロナウイルスとの闘いを支援するアリババ・エコシステムの取り組み

(この記事は2020年5月21日に更新されました)
新型コロナウイルスの流行が世界中に広がっています。3月11日には、世界保健機関(WHO)が「パンデミック(世界的大流行)」を宣言しました。感染者数は世界で爆発的に増加し、入国制限や行動制限、都市封鎖(ロックダウン)を実施する国・地域も増えています。物流やサプライチェーンが停滞し、医療物資の供給も厳しい状況に陥っています。

このような状況下で、アリババグループ、アリババ公益基金会と、ジャック・マー公益基金会は、世界各国が力を合わせて新型感染症の脅威に立ち向かえるよう、医療物資の寄附・供給、専門家の臨床経験に基づいた医療関係者への知見共有、医療研究機関への研究資金の寄附、テクノロジーを活用した診断支援ツールの開発や、テレワーク・遠隔教育をサポートするサービスの無償提供など、多くの取り組みをしています。

【第一線の臨床経験に基づいた知見を世界の医療関係者への共有】

1)医療機関向け『新型コロナウイルス感染防止ハンドブック』の全世界無料公開の支援

ジャック・マー公益基金会による発案・支援のもと、浙江大学医学院付属第一病院の医療専門家数十名が2020年3月18日、世界各国の医療従事者向けに『新型コロナウイルス感染防止ハンドブック(Handbook of COVID-19 Prevention and Treatment)』(以下、ハンドブック)を執筆し、同院の公式ウェブサイト上(http://www.zy91.com/ywsy.jhtml)で無料公開しました。既に発表されている中国語版、英語版に加えて3月26日、日本語、イタリア語、スペイン語、フランス語、トルコ語の計7言語のハンドブックが、アリババクラウド上で構築された特設サイト(https://covid-19.alibabacloud.com/)で無料公開されています。

詳細:

新型コロナウイルス感染予防・治療ハンドブックを全世界に公開、馬雲公益基金会が発案・支援

医療機関向け『新型コロナ感染症対策ハンドブック』日本語翻訳版を公開

 

2)多言語対応の国際医療専門家コミュニケーション・プラットフォームGMCC

新型コロナウイルス感染症の臨床経験やノウハウを世界中に共有することを目的として、ジャック・マー公益基金とアリババ公益基金が共同で、医療従事者向けに交流プラットフォーム「国際医療専門家コミュニケーション・プラットフォームGMCC」を設立しました。各国の医療従事者は、中国医師との一対一の遠隔相談、ビデオ会議機能や臨床経験を紹介するオンラインイベントなどのライブ配信機能を活用できます。AI即時翻訳などを活用して日本語を含む11言語に対応してます。4月22日時点、世界120の国と地域から約3,000人の医療関係者がGMCCに参加されています。

詳細:

多言語対応「国際医療専門家コミュニケーション・プラットフォーム」を通じ、世界中の医療従事者におけるノウハウ共有をサポート

GMCC(Global MediXchange for Combating COVID-19)公式サイト

 

【医療機関への研究資金の寄附】 

新型コロナウイルスのワクチン開発を支援

ジャック・マー公益基金会は1億元(約15.5億円)を拠出して、ワクチン研究支援特別基金を設立しました。広東省鐘南山医学基金会チーム、広州呼吸健康研究院、米国ニューヨークアーロンダイアモンドエイズ研究センター(The Diamond AIDS Research Center)の創設ディレクター兼CEOの何大一氏、及び豪州Peter Doherty感染・免疫研究所(The Peter Doherty Institute for Infection and Immunity)などの研究機構と相次いで寄付契約を締結しました。また、アリババクラウドもAIやクラウドプラットフォームなどのテクノロジーを通じてワクチンの研究開発をサポートしています。

【テクノロジーを活用し、世界中の医療機関、教育機関、企業を支援する取り組み】

1)医療AIで肺部CT映像による診断の効率化を図る

アリババグループの研究機関である達摩院(DAMOアカデミー)とクラウドコンピューティングの開発・運用を担うアリババクラウドとの協力により、肺部のCT画像から医療AIを用いて医師の診断を支援する効率化ツールが開発されました。20秒以内という短時間で、疑似病例が新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判断します。その分析精度は96%にまで達しており、診断効率を格段に向上させています。
詳細:
アリババの医療AIで新型肺炎検査を高速化、わずか20秒で診断可能に

新型コロナ感染疑い症例のCT画像分析技術で、日本の医療現場を支援

2)DingTalkによる遠隔教育とテレワークへの支援

日本企業におけるテレワークの導入拡大をうけ、無料の企業向けモバイルオフィスサービス「DingTalk」では、最大1,000人までのグループチャット、および300人以上が同時に参加できるビデオ会議などの機能を日本の企業に提供開始しました。
詳細:
ユネスコがDingTalkを推薦、遠隔学習ソリューション

オンラインでリアルな授業体験を提供する翰林日本語学院、DingTalk Liteを活用

獺祭の蔵元・旭酒造が世界の酒愛好者とつながるクラウド試飲会をDingTalkで開催

DingTalkの日本語公式ページ

3)アリババクラウドが3,000万米ドル規模の中小企業支援プログラムをグローバルで提供

4月23日、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する中、中小企業によるクラウド技術の採用や、事業継続に必要な技術実装をサポートする支援プログラムを開始しました。
詳細:こちら

【中国国内における新型コロナ対策支援の取り組み】

1)中国中小企業の事業回復を支援する「春雷計画2020」

新型コロナウイルスによる感染症が中国各地の経済や国民の生活に大きな打撃を与えるなか、中小企業はさらに厳しい経営環境に直面しています。その状況下で4月7日、アリババグループの会長兼CEOのダニエル・チャン(張勇)が全従業員に公開書簡を送り、中小企業の事業回復を支援する特別プロジェクト――「春雷計画2020」を発表しました。アリババが創業以来の20年間で築いた「エコシステム」と「テクノロジー」の力で、一連の取り組みを通じて、中小企業とともにこの難関を乗り越えましょうと、呼び掛けました。
詳しくは:
アリババグループ、中小企業の事業回復を支援する「春雷計画2020」を発表

 

2)農村支援プログラム

2月6日、アリババグループは農村支援プログラムを発足しました。同プログラムの一環として、農家はライブコマースサービスのTaobao Live(タオバオライブ)に無料でアクセスし、同時に、アリババエコシステムが提供する、デジタル販売促進ソリューションやリソースも利用できます。ECプラットフォームの淘宝(タオバオ)は10億元(約155億円)の支援ファンドを設立し、農家を支援するための10の施策を打ち出しました。

また、タオバオライブは、中国全土の農村地域にいる20万人の農民を対象に、ライブコマースの研修プログラムを提供し、農家たちの事業の持続的成長を支援することを発表しました。今年、ライブコマース・プラットフォームを通じて、中国16の省で150億元(2,300億円に相当する)農業売上高を生み出すことを目指しています。
事例:農村部にも広がるデジタル化の輪、お茶農家がライブコマースで販路開拓

 

3)観光業とサービス業の回復を支援するフリギー(Fliggy)の取り組み

中国では、5月1日から5日までの労働節休暇が延長されたため、アリババ傘下の旅行サービスプラットフォームのフリギー(Fliggy)は、観光とサービス業界が新型コロナによる打撃から回復できるように一連の支援策を展開しました。
また、施策の一つとして、フリギーは、タオバオライブ上の公式チャネルを通じて、人気の観光地へのバーチャル旅行体験を企画・提供しました。一連のオンラインツアーでは、ネットユーザーはセルビアのベオグラード、フィンランドのヌークシオ国立公園、ドイツのメッツィンゲン、そして、イギリスの歴史ある町カランダーを観光することができました。ライブ配信では、旅行インフルエンサーと現地の関係者が、ご当地の文化や歴史などの見所を紹介し、視聴者への観光Tipsを共有しました。
動画フリギーと一緒にフランスのべルサイユ宮殿へバーチャル旅行

 

ヨーロッパの空港に届いた医療物資

【医療物資の寄附・供給】 

複数の国と地域への医療物資の寄附

ジャック・マー公益基金会とアリババ公益基金会が共同で、各国へマスク、防護服などの医療物資を寄附しました。

▼日本

中国で新型コロナウイルスの感染が拡大した2月、日本が中国に約10万着の医療用防護服をアリババ公益基金会を通じて中国の医療機関へ寄附しました。その後、日本で感染が広がった3月に、その返礼として、ジャック・マー公益基金会とアリババ公益基金会は、二階俊博氏が名誉理事長を務める一般社団法人日本医療国際化機構を通じて、マスク100万枚を日本全国へ寄附しました。両者の医療物資のやり取りは、印象的な漢詩とともに注目を浴びました。
詳細:ジャック・マー公益基金が日本にマスク 100 万枚を寄付、新型コロナウイルス感染拡大防止のため

▼WHO

4月21日、ジャック・マー公益基金会は世界保健機関(WHO)にマスク1億枚、検査キット100万個、N95マスク100万枚を寄付すると発表しました。これまで馬雲公益基金会はアリババ公益基金会と共同で世界150+の国に医療物資を寄付いたしました。
参考資料:ジャック・マー公益基金会の公式ツイッター

▼世界各国

・アフリカ
 3月16日、アフリカ54カ国にマスク10万個、防護服1000個、防護用マスク1000個、PCR検査用試薬2万個を寄付すると発表。
4月6日、アフリカ54カ国に追加で、500台人工呼吸器、20万着防護服とフェースカバー、100万個検査キットなどの医療物資を寄付すると発表。
4月20日、ジャック・マー公益基金会とアリババ公益基金会は、アフリカ連合とアフリカ疫病予防管理センター(アフリカCDC)に、マスク460万枚、検査キット50万個、人工呼吸器300台、医療用防護服20万着、フェースカバー20万枚、非接触体温計2000本などの医療物資を寄付すると発表した。
 詳細:こちら

・アメリカ
 内訳:PCR検査試薬50万本、マスク100万枚
 詳細:こちら

・アジア各国に数回にわたる医療物資の寄付
 対象国:パキスタン、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、カンボジア、インド、ネパール、バングラデシュ、ミャンマー、モンゴル、ラオス、スリランカ、アフガニスタンなど
 詳細:こちら

・欧州
 詳細:こちら

・韓国
 内訳:マスク100万枚
 参考:聯合ニュース

・カナダ
 内訳:50万枚のマスクと10万個の検査キットなどの医療物資
 参考:カナダ首相ジャスティン・トルドーのツイッター

・南米諸国
 3月22日、ジャック・マーが自身のツイッターを通じて、ジャックマー公益基金会とアリババ公益基金会が共同で、南米24カ国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、キューバ、エクアドル、ドミニカ共和国、ペルーなどが含まれる)に、200万枚のマスク、40万個検査キットと104台人工呼吸器を寄付すると発表した。参考:ジャック・マーのツイッター

 

*1人民元=15.5円で換算)

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【プレスリリース】アリババグループ、新型コロナウイルス対策支援に約500億円を拠出

・英語:
 ALIBABA DIGITAL ECONOMY COVID-19 SUPPORT EFFORTS

・中国語:
 阿里巴巴集團、阿里巴巴公益基金會及馬雲公益基金會抗擊新冠肺炎新聞彙總

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