アリババグループのCEO張勇、ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム理事会の共同議長に就任

アリババグループ会長兼CEOのダニエル・チャン 

消費財業界全体の理念を追求し、ポジティブな変化を目指すグローバル組織であるザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)は2021年6月24日(パリ時間)、理事会の新たな共同議長として、アリババグループの会長兼最高経営責任者(CEO)である張勇(ダニエル・チャン)を選出したことを発表しました。この発表は、今年初めてバーチャル開催となったCGFのグローバル・サミットの会期中に開かれた理事会を受けて行われました。

両氏は、退任するMigros TicaretのCEO、オズギュル・トー(Özgür Tort)氏、およびDanone(ダノン)の前会長兼CEO、エマニュエル・ファベール(Emmanuel Faber)氏に替わり、今後2年間、CGF理事会の指揮を執ります。また、Ahold DelhaizeのCEO、フランツ・ミュラー(Frans Muller)氏、UnileverのCEO、アラン・ ヨーペ(Alan Jope)が、同CGF理事会の共同副議長に任命されました。

アリババグループのチャンとThe Coca-Cola Companyのクインシー氏は、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大による困難な時期を経て、企業が消費者や従業員、投資家に対して、持続可能性や健康、安全といった昨今の課題に積極的に取り組んでいる姿勢を示す必要性が高まる中で、共同議長の役目を引き継ぐことになります。CGFは8つの行動連合(Coalitions of Action)を設立し、組織自体の戦略の転換も図りました。こうした新たな体制をスタートさせている一方、クインシー氏とチャン氏はCFGの会員企業が世界各地で確実にアクションを加速していけるよう、リーダーシップを発揮することになります。

アリババグループの会長兼CEO、ダニエル・チャンは、今回の共同議長就任について次のように述べています。「中国の多国籍企業から初めてCGGの共同議長に就任することを非常に光栄に思い、信頼を寄せてくださった理事会の皆様に感謝申し上げます。前任のトー氏とファベール氏の強力なリーダーシップの下で、CGFはさらに多くのステークホルダーを引き入れると同時に、実行支援に一層力を入れてきました。今後、クインシー氏と協力し、こうした基盤をもとにCFGの会員企業の枠を広げ、包括性を一層高めて行くことを楽しみにしています。さまざまな課題に対処し、将来の可能性を確実に捉えられるよう、業界の変革に取り組んでいきます。」

The Coca-Cola Companyの会長兼CEO、ジェームズ・クインシー氏は次のように述べています。「地球と地球に住む人々を守るための取り組みを続ける、このユニークなCGFという組織の理事会に参加できることを大変光栄に思います。前任のトー氏とファベール氏の素晴らしい仕事をさらに発展させて持続可能な解決策を推進し、業界として直面するさまざまな課題の解決を図っていきたいと考えています。チャン氏やCFGの各行動連合と力を合わせて意欲的な目標の実現に取り組み、すべての人々が共有する、より良い未来を構築していきたいと思います。」

過去2年間、トー氏とファベール氏のリーダーシップの下で、CGFは以下のような成果をあげてきました。

  • 8つの実行連合(Coalitions of Action)の立ち上げ:
    – Forest Positive(フォレスト・ポジティブ)
    – Plastic Waste(プラスチック廃棄物)
    – Food Waste(食品ロス削減)
    – Collaboration for Healthier Lives(健康的な生活のためのコラボレーション)
    – Product Data(製品データ)
    – Human Rights – Working to End Forced Labour(人権ー強制労働の撲滅)
    – Sustainable Supply Chain Initiative (SSCI、持続可能なサプライチェーンへの取り組み)
    – Global Food Safety Initiative (GFSI、グローバル食品安全イニシアチブ)
  • パンデミック期間中、最も脆弱なコミュニティへの支援を企業に呼びかけ、取り組んだ行動のいくつかを紹介したケーススタディを公表
  • 国連に対して、パンデミックの影響を受けた船員への支援強化を要請
  • 英国、トルコ、フランス、日本、中国をはじめとする各国での「より健康な生活への協調(CHL)」イニシアチブの成功に関する一連の報告を発表
  • パーム油、大豆、紙、パルプ、植物繊維製包装など、コモディティ作物栽培に関する一連のロードマップを発行し、CGFメンバーが森林のポジティブな未来を築いていけるよう透明性を高めるとともに、8つの実行連合の一つForest Positive(フォレスト・ポジティブ)連合による初の報告書 Taking Rootを発表
  • GFSI Race to the Top フレームワークを立ち上げ。GFSI認証や監査結果に対する信頼性や透明性、信用度を向上させることを目的に、このフレームワークを通じて共同でグローバル・フード・セーフティ・イニシアティブ(GFSI)のエコシステムの監視を強化することを提案
  • GFSIカンファレンスおよびサステナブル・リテール・サミットを初めてバーチャルで開催し、会員企業CEOら主導のバーチャル・ナレッジシリーズにリーダーが集結し、COVID-19の影響を緩和するための各社の経験を共有
  • プラスチック汚染に取り組み、自然界にプラスチックのゴミが残らない世界の実現を目指す上で、最初の2つの「ゴールデン・デザイン・ルール」を策定。現在は残りの7つの策定に注力
  • 業界としてダイバーシティ&インクルージョンの問題への取り組みをさらに強化し、職場におけるすべての従業員の機会均等とインクルージョンが保証される世界の創造という意欲的な目標を設定

Migros TicaretのCEO、オズギュル・トー氏は共同議長の在任期間を振り返り、次のように述べています。「パンデミック期間中、業界のあらゆる企業にとって、持続可能性と効率性の重要性や有効性が一層高まりました。先行き不透明な時期にあっても、私たちは制限することなくサービスを提供してきました。新しい時代の幕開けに伴って、私たちはあらかじめ自分たちのこれまでのやり方を見直して、新たな生活に即したものにしていこうとしています。CGF内では8つの実行連合を別々に設立してそれぞれが独自のミッションを掲げ、持続可能な世界を創造し、ポジティブな変化をもたらすことを使命としています。実行連合にはそれぞれ、地球の未来のための新たなソリューションにフォーカスすることを目指す、さまざまな業界の企業リーダーが集結しています。こうすることで、CGFはより包括的で多様な組織を造り出しました。この柔軟な構造がインスピレーションをもたらして.世界中の新たなイニシアチブにつながるでしょう。」

ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラムのマネージング・ディレクター、Wai-Chan Chan氏は次のように述べています。「非常に大変な時期に、オズギュル・トー氏、エマニュエル・ファベール氏の両氏は素晴らしい仕事を成し遂げられました。2人の指揮の下で、CFGは改めて現場に迅速かつ効果的にポジティブなインパクトを与えることに注力し直し、そうした努力の成果が早くも現れ始めています。しかし、私たちはまだ取り組みを始めたばかりであり、今後、クインシー氏、チャン氏と緊密に協力して、これまで以上のスピードでポジティブな変化を促し、国連の食料システムサミットやCOP26に向けて具体的な行動に基づいた前向きな声を業界にしっかりと根付かせていけるものと期待しています。これまで大きな成果をあげてきましたが、私たちにはまだまだやれることが多く残っていると思っています。」

 


ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラムについて
ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)は、平等性に基づいたグローバルな業界ネットワークであり、会員企業によって世界の消費財業界に貢献するビジネス手法や業界標準の導入を推進しています。CGFには、世界70か国の400を数える小売業、製造業、サービス業その他の関連企業のCEOや経営幹部が集結し、さまざまな地理条件、規模、製品カテゴリー、フォーマットを有する業界の多様性を反映した組織となっています。会員企業の売上は合計で3,5兆ユーロ、直接雇用の従業員数は合計1,000万人近くに上り、バリューチェーンではさらに推定9,000万の関連雇用を創出しています。組織は、55人を超える製造業および小売業企業のCEOで構成される理事会によって運営されています。CGFの詳細については https://www.theconsumergoodsforum.com/ をご覧ください。

 

翻訳協力:高口康太、編集:AlibabaNews 編集部


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