「第一の顧客」とは誰か?アリババグループCEOが説く「顧客価値創造」の根本

解説:

アリババグループは25万人もの従業員を抱えているが、その周囲にも多数のパートナー企業がある。ショップ出展企業はもちろん、ショップ運営サポートや商品写真の撮影、広告運営、物流などなど、その範囲は多岐にわたる。アリババクラウドの成長に伴い、EC(電子商取引)以外のパートナー企業も増えている。パートナー企業は時にはアリババのクライアントでもある。また、パートナー企業同士の取引もあるなど関係は複雑だ。こうしたなかで、いかに「顧客価値創造」という使命を果たすのか。アリババグループCEOのダニエル・チャンは「第一の顧客」について共通認識を持つことが必要だと強調する。

「顧客のための価値創造、これこそが私たちの存在意義です。価値創造を基盤に顧客とともに成長すること、それこそが顧客に感謝し、顧客と社会にお返しするための最良の手段なのです」
アリババグループ会長兼CEOのダニエル・チャンは、2021年9月10日、第7回アリババグループのカスタマー・デー式典において、列席したパートナー企業代表者、アリババ従業員を前に、こう話しています。

写真はアリババグループ会長兼CEOのダニエル・チャン

アリババグループには多くの記念日があります。5月10日の「Ali Day」は従業員たちのアリババ精神を再確認するとともに、従業員への感謝を示す記念日です。2003年5月に重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行によって、一時は本社を閉鎖する危機に見舞われながらも従業員とその家族みなの努力で乗り越えたことを記念して設けられました。

9月10日はアリババグループの創業日。2015年からカスタマーデーに定められました。2015年の制定時に「アリババグループにとっては365日すべてがカスタマーデーです。ただ、9月10日という創業記念日に、私たちアリババ人一人一人が改めてカスタマーへの感謝を思い出すためにこの日を制定しました」と、その意義について説明しています。

「顧客第一」をテーマとした活動は一年中数多く開催されていますが、カスタマーデーのある9月には特に集中しています。例えば「親聴」(自ら聞く)と題された活動では、マネージャーを含めたすべての従業員が自ら顧客のもとを訪れて、問題を解決するものです。「思享会」というイベントでは、サンプルケースをみなで検討することによって、いかに顧客体験を改善できるかを議論し合います。マネージャーも一般社員も分け隔てなく、頭を付き合わせて討論するのです。

1999年の創業から22年、「顧客第一」はアリババグループにとって最も重要な企業文化とルールの一つです。「アリババ価値観の第一条は顧客第一です。表現の仕方はどう変わるにせよ、この精神は永遠に最も重要なものであり続けます」とダニエル・チャンは断言し、こう続けました。

「22年前の創業から今日にいたるまでやってこられたのは、時代の中で変化し続ける顧客のニーズが私たちを突き動かしたからです。そのニーズを満たすため、私たちはイノベーションを続けてきました。そうして顧客のニーズを満たしてきました。それどころか、私たちのイノベーションが顧客のニーズを生み出すことすらありました」

第一の顧客とは誰か?

顧客第一の思想はアリババグループの従業員に深く刻み込まれています。ですが、ダニエル・チャンはもう一歩先を考える必要があると強調します。

ダニエル・チャンは「顧客価値創造」の思考法について次のように述べています。「アリババグループの従業員が「顧客第一」の精神を持っていることに疑いはありません。しかし、それは土台です。みんなにはそれぞれの特徴を踏まえて、その先を考えてもらいたいのです。それは、誰が第一の顧客なのかという問いです」

単純な売り手と買い手だけではなく、物流や仲介業者、広告事業者、代理店など多くの利益関係者がいるのが、デジタル・プラットフォームの特徴です。ですから、アリババグループにとっての顧客は単なるカスタマーではなく、さまざまな役割を果たし、様々な価値を創出するビジネスパートナーであります。みなが助け合って協力することで、最終顧客にすばらしいサービスを提供することができます。

「(こうしたデジタル・プラットフォームにおいては)互いが互いの顧客とも言えるでしょう。しかし、です。最終的に考えれば、第一の顧客は消費者です。ある意味ではデジタル・ビジネスプラットフォームに集まったみなさんはパートナーでもあります。消費者というお互いの第一の顧客を明確にすること、これによって最終的に目指すべき目標、ともに探し求める共同価値のゴールを見いだせるのです」

 

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解説・翻訳協力:高口康太、編集:AlibabaNews 編集部

 

 

 

 

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