菜鳥、各配送会社と協力しグローバルなグリーンルートを開設、医療物資を湖北省に

解説:

菜鳥網絡(以下、菜鳥)はアリババグループ傘下の物流プラットフォームです。自前のトラックや倉庫などは所有せず、荷物と配送会社のマッチングを支援することによって物流の効率化を実現するテック企業です。また国際輸送でも自社の海外倉庫やチャーター便、さらに配送会社との連携によって輸送効率を向上させています。

2020年1月下旬から深刻化した新型コロナウイルス肺炎に対して、菜鳥は支援を表明しました。医療物資の不足はたんに物が足りないだけではなく、必要な場所に届けられないという物流の問題でもあります。この問題をテクノロジーと配送会社との協力によっていかに解決するか。この課題に取り組んでいます

新型コロナウイルス肺炎の蔓延が続いています。感染拡大が最も深刻な湖北省武漢市では1月23日より、「封城」(都市封鎖)状態にあります。旧暦1月1日にあたる1月25日、武漢市には旧正月ムードこそありませんでしたが、アリババグループ傘下の物流プラットフォーム、菜鳥(ツァイニャオ)と、提携する中国内外の配送企業の協力によって、小さなぬくもりが届けられました。

菜鳥は配送会社30社あまりと共同で、「菜鳥グリーンルート」を開設しました。中国全土、さらには世界各地からの支援物資を、武漢市などの肺炎蔓延が深刻な地域に無料で送る取り組みです。中国国内のパートナーとして中通、申通、韻達、圓通、百世、德邦などの大手宅配会社が参加したほか、国際物流にはAir city、Schenker、Damco、4PX、宏遠物流、360zebraなどが参加。合計で30社以上が協力しています。同時に「菜鳥医療物資運輸サポートホットライン(+86 5718-8158-333 )」を開設し、支援者たちの物流ニーズを収集しています。

グリーンルートは各地の政府、社会団体、公益団体、企業、医療用品生産企業をつなぐものです。マスクや消毒液、防護ゴーグル、防護服などの医療用品を優先的に確保し、速やかに送り届けることを目的としています。グリーンルート開設後ほどなくして、安徽省から第一陣の支援物資となるマスク10万個が武漢市に届けられました。

2月2日までに菜鳥武漢物資運輸サポートホットラインは7000件以上の電話連絡を受けました。また中国内外の物流パートナーによる物資輸送は、医療物資500万件超、生鮮・食肉40万トン、食品などの生活物資40万箱に達しています。武漢市、黄崗市、襄陽市など湖北省各地に緊急配送されている。さらに国外からは、10カ国超の300以上の団体から支援の申請を受けている。これらの支援物資の国際輸送量は1000万件を超える見通しです。

「何もないのです」と武漢の病院がSOS、わずか3日で支援物資が到着

武漢市の武漢協和医院は1月下旬からSNSなどを通じて医療物資の不足を訴えていました。1月30日には「緊急事態ではなく、本当にもうないのです」と支援を求めるメッセージを発信しています。この窮地に北京市、黒竜江省、遼寧省、内モンゴル自治区、甘粛省、山東省、海南省など9省市に所属する40の社会団体、医療組織から医療物資が送られました。

しかし一部の支援団体は田舎にあるうえ、物流が動かない旧正月期間ということもあって、輸送会社を見つけられずにいました。そこで菜鳥グリーンルートは支援団体と配送会社とをマッチングし、各地の物資の輸送を支援しました。

1月31日、こうして集められた荷物がついに武漢に向かいました。物流会社・圓通のトラックドライバー、吴宝明は寒空の下、湖南省長沙市を出発。荷台には北京市や甘粛省から空輸された防護服500着、手術帽400個、手術用手袋900着などの医療物資がつまれています。呉は夜を徹して北上し、翌2月1日午前10時には現地のドライバーに荷物を引き渡しています。その後、まもなく武漢協和医院に届けられました。

日本からの防護服10万着も菜鳥グリーンルートを通じてわずか24時間で中国へ

2月9日0時、日本から中国への追加支援物資である医療用防護服10万着が上海に到着しました。この寄付は、一般社団法人日本医療国際化機構の二階俊博名誉理事長を通して実現したもので、特に需給がひっ迫している中国の病院に届けられます。二階氏は、日本各所から12万4200着の防護服を確保し、10万着を日本からの寄付としました。残る2万4200着はアリババグループによって買い取られました。

これらの防護服を迅速に中国に届けるため、2月7日に菜鳥グリーンルートを通じた緊急対応がされました。日本の13か所で確保された防護服は東京に集められ、10台の大型トラックを使って関西国際空港へ配送されると同時に、中国の貨物航空会社によって手配されたチャーター便で関西国際空港から中国へ輸送されました。中国と日本の多くの物流会社の協力により、わずか24時間で10万セットの防護服が無事上海に到着しました。日本から寄付されたこれらの防護服は、アリババチャリティーファンドを通じて湖北省の武漢、黄冈、宜昌、鄂州、浙江省の杭州、温州、寧波、河南省の郑州、南陽、信陽、遼寧省の大連、海南省の三亜などの20の医療機関へ寄付されます。

海外支援物資の輸送を加速させた菜鳥グリーンルート

肺炎蔓延の知らせを受け、武漢大学ニューヨーク校友会、米国東部華人社団連合総会などの海外華人団体は武漢市に医療物資を送りました。1月29日には第一陣となるマスク7000個、防護服800着、防護ゴーグル1800個などの物資が湖北省に到着しています。この配送には菜鳥国際物流チーム、Air city、SEKOロジスティクス、東航物流、易豹ネットワーク、百世などの物流企業が協力しました。米国での荷物受け取り、輸出入の通関業務、国際幹線輸送、そして中国国内での輸送と各社が分担し、最短の時間で支援物資を届けています。

また国連児童基金(ユニセフ)から中国政府への第1陣支援物資としてN95マスク3万個が寄贈されましたが、これも菜鳥グリーンルートが担当し、1月31日にオランダから上海浦東国際空港に到着しています。その後は菜鳥及び東航物流によって速やかに受け取り、通関手続きが行われました。同じく1月31日にはソウルから上海に計50トン超の医療物資を載せた飛行機3機が到着しています。この物資はアリババグループが国外で購入したものです。菜鳥国際物流チームの尽力によって、航空便発送の時間は通常の8時間から5時間にまで短縮されました。協力した東方航空は予定していた荷物をキャンセルし、支援物資のために貨物室を確保してくれたのです。物資は上海到着後、丹鳥物流によって肺炎蔓延地域へと送られました。

菜鳥グリーンルートのプロジェクトマネージャー・何育林は、グリーンルートの価値は各所のリソースをマッチングすることによって生まれると説明しています。「みなが力を会わせて協力し、互いの優位点を寄せ集める。そうすることでこの緊急時に最大の効率を発揮できます。一軒一軒の荷物について、私たちはそれぞれの配送会社とコミュニケーションし、同時にリソースと輸送力を評価します。それにより、この貨物を運ぶ最適の企業がどこなのかがわかるのです」。菜鳥と配送会社は「親しい戦友だ」と何マネージャーは話しています。今回の肺炎問題は一企業の問題ではなく社会全体の問題なのだと各社は理解している。そのため各社ともに協力して力を出し合っているのだ、と。

菜鳥グリーンルートは中国物流業界が初めて実施したグローバルな支援物資輸送チャネルです。支援物資の輸送は無料。そして物資は寄贈品、義援金で購入されたものです。支援団体がホットラインを経由して提供したもの、アリババグループが調達した寄贈品、アリババチャリティーファンドが受け取った民間の義援金で購入されたもの、そして米国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリス、ドイツ、ベルギー、スペイン、フランス、そして東南アジア諸国など諸外国から菜鳥国際サプライチェーンを通じて送られた寄贈品によって構成されています。

(翻訳・編集:高口康太、AlibabaNews編集部)

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