アリババとアント フィナンシャル、20項目のマーチャント支援策を発表、新型コロナの影響克服を目指す

この度、中国の湖北省武漢市を中心に発生している新型コロナウイルス感染症により、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

アリババグループおよびアント フィナンシャル サービスグループ(以下、アリババ)は、2月10日に、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済的な影響を乗り越えられるよう、6分野20項目の中小企業支援策を発表しました。

アリババは「マーチャントへの公開書簡」の中で「あらゆるビジネスを広げる力になる(To make it easy to do business anywhere)」ことをミッションとしているアリババにとって、「今こそ私たちの使命を全うする時」であると記しました。20項目の支援策は主に下記6つの分野で、中国全土、特に湖北省など影響を深く受けている地域の中小企業の経済的支援のために策定されたものです。

 

  • マーチャントのプラットフォーム使用料の割引や免除

・ECプラットフォーム「天猫(Tmall)」に出店している全てのマーチャントに対して、2020年上半期のサービス料を免除します。
・全てのタオバオ(淘宝)および天猫(Tmall)の店舗に、無料でEC店舗サイトのデザインツール「旺铺智能版(Wangpu)」を提供します。
・湖北省にて登録されており、既に店舗運営の認証サービスプロバイダー「Star Tmall Partner」によるサービスを利用しているマーチャントに対して、店舗運営サービス料を3ヶ月間無料とします。
・アリババグループの物流プラットフォーム「菜鳥(ツァイニャオ)」は、2020年3月31日までに菜鳥倉庫をレンタルしたマーチャントに対して、2ヶ月分の倉庫賃料を免除します。
・地域密着型ライフスタイルコマースサービス「口碑(コウベイ)」は、中国全土の加盟店の手数料を2020年2月29日まで免除します。武漢市内の加盟店に対しては2020年3月31日まで免除期間を延長します。
・越境ECプラットフォーム天猫国際(Tmall Global)に出店している海外のマーチャントに対して、2月13日より、プラットフォーム使用料の割引及び免除、物流コストの削減、アリペイを通じた自動決算申請基準の緩和、店舗運営代行サービス料の割引もしくは免除、低金利ローンの提供、特殊な状況に合わせた取引規約の最適化など、6つの支援策を実施します。詳細はこちら

 

  • 無利子もしくは低金利ローンの提供によって、中小企業の資金繰りを支援

・中小企業の資金繰りを安定させるため、タオバオ(淘宝)および天猫(Tmall)に登録している湖北省のマーチャントに対して、アント フィナンシャル サービスグループ傘下のネット銀行「Mybank(網商銀行)」が総額100億元(約1,550億元*)となる12ヶ月間の特別サポートローンを提供します。同ローンは最初の3ヶ月間を無利子で、残り9ヶ月間を通常の8割の金利で提供します。
・中国国内の湖北省以外のマーチャントにも、12ヶ月間に渡り、通常の8割の利子で、総額100億元(約1,550億元*)の特別サポートローンを提供します。
・売掛金の回収期間を短くするために、基準を満たしたタオバオ(淘宝)および天猫(Tmall)のマーチャントは、購入者から商品の受取確認を待つことなく、商品発送後にすぐに商品の代金を受け取ることができます。該当の商品代金は、「Mybank(網商銀行)」が2020年3月31日まが立て替えます。
・飲食店の運営コストによって経営を圧迫されている状況を改善するために、フードデリバリーサービス「ウーラマ」および、地域密着型ライフスタイルコマースサービス「口碑(コウベイ)」は、一部の中国全土で展開するチェーンレストランに総額10億元(約155億円*)の特別支援金を提供します。

 

  • 配達員に補助金を提供し、物流現場の生産性を上げる

・サプライチェーンと物流現場の生産性を上げるため、タオバオ(淘宝)、天猫(Tmall)、菜鳥(ツァイニャオ)は共同で10億元(約155億円*)の特別ファンドを設立しました。
・配達員に対する、集荷補助金や無料保険の提供、菜鳥が提供する技術サービスの使用料免除などを通じて、物流網の回復を図ります。
・新型肺炎の対応のための防疫製品は、2020年2月分の菜鳥倉庫の賃料などを免除します。
・越境ECや輸出入事業を行う企業の事業への影響を最小限に抑えるため、関連補助金を提供します。

 

  • 柔軟な雇用機会の提供によって、従業員の収入確保

・ニューリテールを代表する生鮮食品スーパー「フーマ(盒馬鮮生)」は異業種の企業と共同で、中国国内の従業員に就業機会を提供する施策を始めました。飲食店、ホテル、映画館、デパートなどの企業に所属している従業員に対して、一時的にフーマ(盒馬鮮生)の店舗で働く機会を提供します。この取り組みは、他の業界にも展開される予定です。
・ウーラマと口碑も、就業機会を提供する「藍海(Blue Ocean)」プロジェクトを立ち上げました。中国国内の飲食店の従業員は、一時的にフードデリバリーの配達員やコンビニエンスストアのスタッフとして働くことができます。

 

  • デジタルソリューションを無料で提供し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援

・中国国内の全てのオフライン実店舗は、タオバオ(淘宝)のライブコマースサービス「タオバオライブ(淘宝直播)」に無料で登録し、その運営ツールを利用することができます。
・EC店舗運用の学習サポートサービス「タオバオ大学」は、多数のコースをオンラインで公開します。
・菜鳥(ツァイニャオ)は、スマートサプライチェーンなどのデジタルソリューションを提供します。

 

  • 在宅勤務のサポート

・企業向けコミュニケーションツール「DingTalk(釘釘)」の在宅勤務機能を無料で公開します。当機能を通じて、最大302人が同時に参加できるビデオ会議や、従業員の日次健康報告システムなどを利用できます。
・クラウドコンピューティング部門「アリババクラウド」は、決済およびライフスタイルプラットフォーム「アリペイ(Alipay)」と共同で、クラウドリソースやミニアプリの開発フォーマットの無料提供など、開発者向けの7つの施策を始めました。

 

アリババグループ 新型肺炎対策