アリババの副最高人事責任者が語る、コロナ禍における社員とのつながりとこれからの働き方

 アリババグループのヴァイス・チーフ・ピープル・オフィサー(副最高人事責任者)の蒋芳(ジャン・ファン)は、アリババがコロナ禍の困難を乗り越えられたのは、一貫した企業文化のおかげだと話す。自社のデジタルツールを活用した効率的な在宅勤務と、社員同士の密接なつながりを重視するオフィス勤務を掛け合わせたハイブリット型の働き方を進めてきた蒋が考える、アリババでのこれからの働き方とは。

アリババのヴァイス・チーフ・ピープル・オフィサー蒋芳(写真出典:アリババグループ)

 「アリババグループはコロナ禍における働き方、すなわち従業員がどこでどのように働くかを見つめ直し、再構築しています」と、ヴァイス・チーフ・ピープル・オフィサー蒋芳は述べています。

 アリババ共同創業者18人のうちの1人である蒋は、現在、従業員の安全、コミュニティ形成、従業員満足度などの人事管理を担当しています。

 「革新的なツールの活用や、新しい働き方、社員同士のつながりを育む組織編成を模索しています」と蒋は語っています。

 会社勤めの人を対象とした最近のマッキンゼーの調査によると、回答者の半数以上が、新型コロナウイルス感染症の収束後も柔軟な働き方が継続されることを望んでいることがわかりました。また、これらの回答者は、会社に柔軟性、報酬、社員満足度を重視する姿勢を強く望んでいることも、明らかになっています。

ハイブリッド型の働き方

 蒋はアリババに在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせたハイブリッド型の働き方を導入しました。「コロナ禍で、代替手段を探す必要がありました」と彼女は述べています。

 代替手段には、コミュニケーション·コラボレーションのプラットフォーム「DingTalk」、Alilangといったアリババグループのデジタルツールがあり、在宅勤務でも生産性を維持できるようにしています。

 アリババは入社、昇進、年次業績考査などの管理業務をオンライン化する方法も検討しているほか、社員のメンタルヘルスをサポートするため、24時間体制のグローバルホットラインを開設し、カウンセリングを提供しています。また、家族とより多くの時間を過ごすための1週間の有給休暇を従業員に提供しています。

コロナ禍で、世界各地のアリババ社員が在宅勤務にシフト(写真出典:アリババグループ)

つながりが鍵

 アリババは、在宅勤務という選択肢を残しつつ、各国の感染状況を慎重に確認しながら、徐々にオフィス勤務も解禁しています。

 蒋はアリババのグローバルオフィスの約80%が再開されたと話します。アリババでは、各国や地域が発表する最新情報に基づいて、現地の感染状況に見合ったオフィス復帰計画を実施しています。

 「社員同士が密接なつながりを持つことはアリババのDNAの一部ですので、社員が集まれる場所を確保することは重要と考えます」と蒋は述べています。

つながりを支える企業文化

 蒋は、アリババの一貫した企業文化のおかげで、コロナ禍による困難を乗り越えられたと考えています。

 「新しいビジネスチャンスを模索し掴み、そして、従業員がそれぞれの才能が発揮できるように機会を提供する。困難な時だからこそ、従業員に活躍の機会を提供し、我々の企業文化を醸成することで、雇用を継続します。そして、この企業文化が従業員をつなげ、一丸となることができるのです」と蒋は説明しています。

     アリババは5月10日、従業員向け年次イベントAliDayを開催し、従業員一同で企業文化を称賛しました。アリババの杭州本社キャンパスで行われたAli Dayの様子は、世界中で10万人以上が視聴しました。

 

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