1億2,700万人が参加！北京五輪を飾ったボランティア・プラットフォーム

解説：

「エコ活動に取り組もう」「ボランティアに参加しよう」・・・こうした呼びかけだけでは、なかなか人は動かない。人を動かすためには「お得」や「楽しい」という動機付けが必要になる―アリババグループはそのように考え、それを実現するための技術を磨いてきた。エコを意識した行動でポイントを貯め、植樹活動に貢献できる決済アプリ「アリペイ」の植樹ミニプログラム「アントフォレスト」はよく知られている。北京冬季五輪でもそのテクノロジーが発揮され、累計1億2,700万人が参加したボランティア・テックが五輪ムードの盛り上げにつながっているという。

アリババが運営するタオバオアプリ上のボランティア・プラットフォーム

北京冬季五輪では日々熱戦が繰り広げられています。残念なことに、新型コロナウイルスの流行によって、観戦できるのは一部招待客のみに限定されています。しかし、現地で声援を送れなくても、インターネットを通じて五輪に参加し、ボランティア活動に協力できるプロジェクト「北京2022年冬季五輪文化公益プラットフォーム」（以下、「公益プラットフォーム」）があります。
昨年6月23日のローンチ以来7か月以上に渡って、累計1億2,700万人が参加しました。その結果、学校3校の運動場の整備と、さらに多数の学校への運動器具の寄贈を実現しました。

子どもたちのためにウォーキング

公益プラットフォームは北京冬季五輪組織員会の文化活動部、市場開発部が主催し、アリババ公益基金会、中国扶貧基金会を実施組織として立ち上げられたプロジェクトです。2021年のオリンピックデー（6月23日）にローンチされました。

どのようなプロジェクトかを説明しましょう。アリババグループのマーケットプレイス「タオバオ（淘宝）」のアプリで「北京2020」、または決済アプリ「アリペイ」（支付宝）で「人人3小時（一人ひとりが3時間をチャリティー活動に貢献しよう）」というキーワードを検索すると、プロジェクトのサイトにアクセスできます。

参加を選択すると、スマートフォンに記録されている歩数を寄付し、「公益時間数」を獲得できます。歩数以外にも、五輪に関する知識を問うクイズへの解答や五輪テーマソングをSNSにシェアするなど、時間数を獲得するための手段は複数あります。

参加者全員の累計ポイントに応じて、中国扶貧基金会が中国各地の学校に体育施設や器具を寄贈するという仕組みです。今年2月4日の北京五輪開会式時点で、累計1億2,700万人が参加しました。獲得されたポイントは時間換算で計92万3,000時間に達しました。ネットユーザーたちの協力によって、河北省張家口市の赤城県三道川小学、蔚県楊庄窠郷中心学校、蔚県常寧郷中心学校の3校で、体育施設の改修工事を行うことができました。

自分たちの活動が本当に寄付につながったのかと不安に思う人のために、公益プラットフォームは最大限の透明性を確保しています。アリババグループのブロックチェーン技術によって、寄付の透明性とトレーサビリティが確保されているからです。

ネットユーザーたちの協力によって3校で体育施設の改修工事を行うことができました

市民参加の新しい形

子どもたちのスポーツ環境を改善するだけではなく、参加者たちにも楽しみがあります。参加者には五輪テーマソングのシェアや歩数の寄付、クイズの解答など30のゲームステージがありますが、それぞれのステージを達成するたびに宝箱の抽選にチャレンジできます。当たりが出ると、大人気の五輪マスコットキャラクター「ビンドゥンドゥン」「シュエロンロン」のぬいぐるみなどの五輪グッズが当たります。五輪の成功には選手や組織委員会の取り組みだけではなく、市民の活発な参加が不可欠です。公益プラットフォームはテクノロジーを通じて市民の参加を促す、新たな取り組みなのです。

北京冬季オリンピック組織委員会の徐志軍（シュー・ジージュン）副事務局長は昨年6月、「冬季五輪文化を広めるための新たな方法とチャレンジであり、特別な五輪レガシーを残すもの」と、公益プラットフォームを評価しています。