アリババ、国連フォーラムにてCO2排出量削減に向けた取り組みを発表

 アリババグループの最高マーケティング責任者(CMO)であるクリス・タン(董本洪)は、1月31日に開催された2023 UN ECOSOC Partnership Forumのオンライン・サイドイベントにて、ユニリーバや資生堂を含む大手消費財ブランド19社と共同で実施する一連のCO2削減に関する取り組み「脱炭素友好アクション」を発表しました。

アリババグループの最高マーケティング責任者(CMO)であるクリス・タン(董本洪)

 使い捨てプラスチックを多く使用する消費財業界では、プラスチックの製造・処理におけるCO2排出が長年の懸案となっています。「脱炭素友好アクション」は、課題解決に向けた第一歩として、環境負荷の少ない代替材料の開発、効率的な物流システムの構築、消費者に対する啓蒙などを通じたサプライチェーン全体におけるCO2削減を目指しています。

 取り組みの一つとして、アリババはユニリーバチャイナ、中国標準化研究院と共同で、「グリーン製品としての洗剤評価基準(第1部:液体洗剤)」を策定し、グリーンな包装材、省エネ生産、低発泡・節水の方法など、環境汚染の低減に役立つ業界基準をまとめました。また、アリババは中国食品大手の康師傅(カンシーフー)とも協業し、同社のペットボトル飲料製造時に発生する廃棄材をrPETとして活用し、洋服、バッグ、文房具などの製品に再生する仕組みを考案しました。

 アリババの物流部門ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)は、2022年に自社のグリーン物流に関する豊富な知見を活用し、中国乳業最大手の伊利と共同で「サプライチェーン炭素削減システム」を開発しました。同システムは、製品発送から到着までのCO2排出量を全て記録し、CO2削減のための選択肢を提示することで、よりグリーンなサプライチェーン構築を支援します。また、ツァイニャオと伊利は、中国の300以上の都市にある80,000以上のツァイニャオステーションやグリーン消費・物流を推進するオンラインコミュニティ「緑色家園」において提携し、消費者がオフラインとオンラインの両方でリサイクル活動に参加しやすい環境を整備しています。

ツァイニャオの物流技術で伊利のサプライチェーンをグリーン化(写真出典:アリババグループ)

 アリババは、2022年に消費者向け炭素台帳「88脱炭素アカウント」の提供を開始しました。消費者は、アリババのTmall(天猫、Tモール)やツァイニャオなどのプラットフォームにてグリーンな行動を取ることで、特典と交換可能なポイントを獲得できます。また、アリババは「88脱炭素デー」と題したキャンペーンのなかでグリーン製品専用の売り場を設けており、資生堂と詰め替えパック普及キャンペーンや伊利とグリーン製品の普及や牛乳空きパックのリサイクルなどを実施してきました。消費者を巻き込んだ取り組みを通じ、アリババは消費者に生活の様々な場面においてCO2削減を促しています。

資生堂と交した「脱炭素友好アクション」の戦略提携式典の様子(写真出典:アリババグループ)

 アリババは上記のような取り組みを継続することで、2035年までにエコシステム全体のCO2排出量を累計15億トン削減するという目標を達成しようとしています。マーチャントと消費者をつなぐプラットフォーム企業として、アリババは、気候変動問題に真摯に取り組み、持続可能な未来社会の構築に貢献するため、今後もグリーンな取り組みの実施と強化を続けていきます。

 

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