ダニエル・チャン、ダボス会議でプラットフォームビジネスの本質を語る

― 価値を創出し、ステークホルダーに利益をもたらす ―

現在、中国で最も重要な社会的取り組みのひとつが貧困の撲滅についてであり、EC大手のアリババグループもそれを支援しています。ただし、アリババグループの取り組みは、単に資金を援助するのではなく、プラットフォームエコノミーを活用して、貧困層が自力で克服できるように支援するものです。

アリババグループの会長兼CEOであるダニエル・チャン(張勇:Daniel Zhang)は、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムの2020年の年次総会において、次のように述べています。「私たちは、彼らが自身でデジタルビジネスを興し、それを持続できるよう支援しています。社会のためにより良いことに取り組むことはもちろんですが、ここでのキーワードは市場主導のアプローチを活用することが必要だということです。」

このコメントは、アクセンチュアCEOであるジュリー・スイート(Julie Sweet)氏との対談の中での発言でした。対談は、アリババグループをはじめとするプラットフォームを運営する企業が、自社のネットワークをどのように活用して、新しい製品やサービス、そしてユーザーのためのビジネスチャンスを創出するかをテーマとしたものです。

 

ダニエル・チャンは、「アリババグループのような包括的なプラットフォームの強みを活用することで、中国の農家や他の零細企業の成長を支援することが可能です。例えば、中国の消費者は、慈善活動が組み込まれたビジネスを支持する傾向があるため、タオバオ(淘宝網:Taobao)などのアリババのオンラインマーケットプレイス上で、そのような販売店と商品の情報を目立たせることで、消費者の関心を集めています。結果として販売店の売上は伸び、慈善活動に寄付される金額も増えます。」と説明しました。

イノベーションを起こすことは企業トップに求められる重要な素質である

更に、「このような包括的な事業の信念と文化を基盤とした取り組みは、企業のトップから発案する必要があります。その取り組みやイノベーションを、組織横断で実行するには、強力なリーダーシップが必要で、企業の本業から切り離したりすることはできません。その実現に向けて本業からリソースを解放できれば、社会全体への影響はより大きくなり、より多くの成果を出せるのです。」と指摘しました。

また、「イノベーションもトップからの発案である必要があります。リーダーが革新的でなければ、チームに革新的になれとは言えません。」とダニエル・チャンは続けます。

 

 

ダニエル・チャンは、マーチャント側と消費者側、そして配達員がアリババグループのプラットフォーム・エコノミーで果たすべき役割も強調しました。「彼らの一人ひとりがプラットフォームのステークホルダーであり、すべてのステークホルダーが連携して、同じ目的のために働くことによって、プラットフォームが成り立ちます。」アリババグループのエコシステムは、全てのステークホルダーの協働によって支えられ、需要と供給の好循環が創出されました。その結果は4,000万もの雇用や、流通総額4兆円以上にのぼる天猫ダブルイレブンショッピングフェスティバルのようなイベントも生まれました。ダニエル・チャンは、「(ダブルイレブンを例にすると)すべての消費者が需要を示し、販売側はその需要を満たせるよう供給を準備します。その需要と供給が特定の日に出会うと、膨大なボリュームが生み出されます。」と述べました。

アリババのゴールはプラットフォームの構築ではなく、良い事業を構築すること

「私たちは事業を生み出し、消費需要を創ります。需要があれば、より多くの雇用が増えます。そしてプラットフォームが成長し、この事業から数多くの荷物配達の需要が生み出されると、ラストワンマイルを担う配達員が必要になります。これはプラットフォームの進化であると考えています。」

新しいテクノロジーが継続的に開発されれば、より多くのプラットフォームが生まれます。結果として、事業成長とゴール達成のために連携するステークホルダーの新しいネットワークが生まれ、連携の中心には将来に対する共通のビジョンが必要になります。

ダニエル・チャンは、「ビジョンを共有し、同じ目標を持てば、それを実現するための適切な方法を見つけることができます。」とコメントしました。

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