店舗と同水準のオンラインサービスの実現を目指す、アリババの“七夕”アップデート

解説:

中国はEC(電子商取引)の取引額、浸透率ともに世界一。あらゆる商品がネットショッピングで購入できるような世界になりつつあるが、ラグジュアリーブランドは慎重な姿勢を示してきた。たんに商品を売るだけではなく、顧客とコミュニケーションし、最高の買い物体験を提供することがブランド価値の源泉であり、一般的なECでは実現困難だったからだ。アリババグループはオンラインでも実店舗と同水準の体験を提供できるよう、新たな技術の導入を進めている。

*写真はヴァシュロン・コンスタンタンのビデオを介したオンライン接客。

「中国版バレンタインデー」をご存知でしょうか。

それが旧暦7月7日の七夕です。年に一度だけ彦星と織姫がであえるロマンチックな記念日ですが、最近では「中国版バレンタインデー」として、パートナーにギフトを贈る日、さまざまなショップやネットモールがセールを行う日という新たな位置づけも加わりました。さらに今年の特徴ですが、自分へのごほうびとして、ブランド品を購入される方も増えています。

2021年は8月14日が七夕。七夕商戦を前に、アリババグループのラグジュアリーブランド販売プラットフォームの「Tモール・ラグジュアリー・パビリオン」(天猫奢品)は、「無憂購」と呼ばれる新サービスをローンチしました。

ビデオを介したオンライン専属接客、ワンタップ・アフターサービス、VIPパッケージ、分割払い手数料無料、特典サービスといった新機能がずらり。ハイブランドの専門店では最高のサービスを受けることができますが、オンラインでも同水準のサービスを実現できることを目指しています。

Tモール・ラグジュアリー・パビリオンの総経理・王瑋蓁は次のように話しています。
「Tモールはただの販売のための売り場ではありません。デジタル化技術で出店者を支援し、そのブランド価値を高めるお手伝いをしています。Tモール・ラグジュアリー・パビリオンを通じて、ラグジュアリーブランドはオンラインでもオフラインでも良いサービスを実現できるように、一貫したデジタルサービスでサポートしていきます。」

 

自宅にいながらお店と同じようなサービスを

それでは“七夕”アップデートで実装された新機能をご紹介していきましょう。まず、ビデオを介したオンライン専属接客です。

消費者はスマートフォンのアプリを通じて、担当。ラグジュアリーブランドの実店舗での手法と同じように、です。気になったことを事細かに質問することもできますし、販売員に身につけてもらって確認することもできます。

このサービスをいち早く導入したのが、高級時計ブランドのヴァシュロン・コンスタンタンです。サービス導入にあたって、10名の会員を招待し、ビデオを介したオンライン専属接客を実施しました。また、VIP会員向けのライブコマースも実施し、腕時計「トラディショナル中国限定モデル」を販売しました。

第二のアップデートはワンタップ・アフターサービスです。

ラグジュアリーブランドの製品は長く大事に使うもの。クリーニング、修理、寸法直し、メンテナンスといったアフターサービスは必須です。こうしたサービスは基本的にお店を訪問しなければ受けられないものでした。それを自宅にいながらにして可能にしようと、Tモール・ラグジュアリー・パビリオンは考えました。

ラグジュアリーブランドは自社のTモール旗艦店にアフターサービス機能を追加することができます。購入者はそのボタンをタップするだけで、宅配便業者が自宅まで荷物を引き取りにきてくれます。お手軽にアフターサービスを受けられますし、預けた品物が今輸送中なのか、修理中なのかといった状態もアプリから簡単に確認できます。

このサービスを全面的に採用したのが宝飾品・高級時計ブランドのショパールです。購入から24カ月以内のメンテナンス、クリーニングは無料。Tモールアプリの中でワンタップすれば大事なアイテムをメンテナンスしてもらえます。他のブランドでも採用は広がりつつあり、グッチは革ベルトの穴あけをオンラインで受け付けています。

第三の機能がVIPパッケージです。ラグジュアリーアイテムを買う楽しみは、商品だけではないですよね。商品が入っているステキな包装に心が躍らされますし、それを開封する時のワクワク感も楽しみの一つです。

ネットショッピングでも同じ購入体験を実現したい。その目的で始まったのがVIPパッケージです。今年の七夕ではカルティエ、グッチ、ショパール、Qeelin(キーリン)、ランバンなど40を超えるブランドの、1万点以上もの商品に導入されました。対応商品をTモール・ラグジュアリー・パビリオンで購入すると、実店舗とまったく同じのすばらしい包装が施された状態で届きます。

ビデオによる専属接客、ワンタップ・アフターサービス、そしてVIPパッケージ。オンラインでも実店舗と同水準のサービスを実現した機能が追加されましたが、それだけではありません。さらにお得なサービスも加わりました。一つは分割手数料無料、ラグジュアリーブランドの90%超で採用されています。もう一つは各ブランドが打ち出す、さまざまな特典です。50%近いショップがなんらかの特典を提供しており、お得感を高めています。

これらの“七夕”アップデートにより、Tモール・ラグジュアリー・パビリオンの魅力はさらに高まったとワン総経理は胸を張っています。

「100%正規品を、購入から1週間以内は理由を問わずに返品可能、配送料無料、返品時のスピード返金、購入から7日以内の値引きには差額返金。これがTモール・ラグジュアリー・パビリオンの五大基本補償サービスです。これに加えて新たなサービスを追加しました。消費者の皆様にとって最高の買い物体験になるよう、努力してまいります」

 

デジタル技術でコロナ禍を乗り越える

七夕商戦で、Tモール・ラグジュアリー・パビリオンは上々の成果を挙げることができました。商戦の目玉の一つとなったのが限定モデルです。Tモール・ラグジュアリー・パビリオンに出店するほぼすべてのブランドがキャンペーンに参加しました。そして、500種以上もの七夕限定モデルが発売されています。特に目立ったのが宝飾品で、限定モデルの数は200種を超えています。商品品目別での売上トップはバッグでした。また宝飾品はラグジュアリー全体を大きく上回る伸び率で好調でした。

*写真は2021年七夕商戦時のTモール・ラグジュアリー・パビリオンのトップページ。七夕限定モデルが数多く出品されていた。

5月末にTモール・ラグジュアリー・パビリオンに参加したばかりのジュエリーブランドのグラフ(GRAFF)は、全世界限定50点のダイヤモンドネックレスを発売。さらにカルティエはトリニティ・シリーズの限定ブレスレット、Qeelinはネックレス、ショパールは世界限定200点のネックレスと、各ブランドは力を入れています。Tモール・ラグジュアリー・パビリオンもデジタル技術でその販売をサポートしました。

*写真はグッチのTモール旗艦店。指輪のAR試着の様子。

ほかにもAR(拡張現実)試着、3D展示、オーダーメイド・サービス、音声ギフトカードなどの多様な技術が投入されました。グッチは今年の七夕に初めて宝飾品をTモールで販売しましたが、その際に導入されたのがAR試着機能です。スマートフォンをかざすだけで、着用したイメージを確認できます。カルティエは3D展示機能を導入。さまざまな角度からアイテムを確認することができます。また、音声ギフトカードも採用しました。自分の声で祝福のメッセージを読み上げる、ステキなギフトカードを添付できるのです。

新型コロナウイルスの流行は、全世界のラグジュアリー市場に大きなダメージを与えています。しかし、ラグジュアリーブランドはECプラットフォームの手助けを借りつつ、オンライン消費市場の開拓とDX(デジタル・トランスフォーメーション)を加速させることで、この危機を乗り切ろうとしています。

パンデミックが広がった2020年以降、Tモール・ラグジュアリー・パビリオンにはラグジュアリーブランドブランドの出店が相次いでいます。カルティエ、プラダ、アルマーニ、バレンシアガ、グッチ、イヴ・サンローランなどの高級ブランドが新規出店し、総ブランド数は200を突破しています。

 

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解説・翻訳協力:高口康太、編集:AlibabaNews 編集部

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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