天猫ダブルイレブン2020のキックオフイベント、Tモールグローバルに2600ブランドが新規参入

解説:
世界最大のネットショッピングセールである天猫ダブルイレブンに向けて、アリババグループの取り組みが始まっている。日本企業を含め、海外企業の多くが重要な販売チャネルとする越境ECプラットフォームのTモールグローバルは「三新」戦略を発表。海外企業の中国進出をより容易に、より高速にするソリューション作りを進めている。

アリババグループの越境EC(電子商取引)プラットフォームであるTモールグローバル(天猫国際)は、毎年11月11日に開催されている世界最大のネットショッピングセールである天猫ダブルイレブンショッピングフェスティバル(略称は天猫ダブルイレブン)のキックオフイベントを開催しました。

毎年新たなチャレンジに取り組んでいるTモールグローバルですが、今年は「三新」戦略が目玉となります。新たな輸入トレンドの発掘、コンテンツエコシステムのアップグレード、正規品グローバルトレーサビリティなどの取り組みによって、“新”ジャンルの立ち上げ、“新”ブランドの導入、“新”商品の発表を実現、海外ブランドの飛躍をお手伝いいたします。

新型コロナウイルスの流行によって、全世界の海外旅行需要は大きく減退しましたが、その一方でオンラインでの輸入消費需要が高まっています。海外ブランドにとっては、ECで中国輸入市場のチャンスは見逃せないタスクです。

Tモールグローバルの総経理の劉一曼

中国市場で重要となるのが世界最大のネットショッピングセールである天猫ダブルイレブンでの取り組みです。Tモールグローバルによると、今年は2万5000以上もの海外ブランドが天猫ダブルイレブンに参加します。うち2600ブランドが初参加となります。Tモールグローバルの劉一曼総経理はキックオフイベントの席上、「今年のTモール・ダブルイレブンでは売上1億元(約15億5000万円)超のブランドを前年比で倍増させます。また売上100万元(約1550万円)以上を記録する、新たな人気製品を2000点以上生み出す予定です」との目標を明らかにしました。

Tモールグローバルは中国に進出した海外ブランドが速やかに成功できるよう、各種の取り組みを行っています。今年3月にオープンした「マーチャント・インキュベーション・センター」では、消費者理解やリリースすべき商品ジャンル、適切なマーケティング手法などに関するアドバイスを行っていますが、中国進出後90日以内での売上100万元(約1550万円)達成を目標としてきました。毎月21日にベスト・パフォーマンス・ブランドを選出し、タオバオ・ライブコマースや「輸入デー」のキャンペーンで紹介するなどの取り組みを続けています。こうしたサポートは今後さらに手厚くする計画で、劉一曼総経理は今年の天猫ダブルイレブンまでに、売上100万元突破までの期間を90日から最短30日までに短縮する目標だと明かしています。

ライブコマース基地でバズ商品を作る

Tモールグローバルは2019年11月、「網紫大道」プロジェクトを発表しました。中国語ではネットの人気者、人気商品を「網紅」と言いますが、「網紫」も同じく人気者、人気商品の意味です。海外のすばらしい商品を発掘し中国に輸入し、芸能人やインフルエンサーがSNSや動画配信を通じて紹介することで、人気商品を生み出そうというプロジェクトです。

この「網紫大道」プロジェクトのアップデートが始まっています。中国の越境ECは保税区モデルとも言われます。まず海外から輸入された商品は中国各地に設けられている保税区の倉庫に補完されます。保税区は関税的には外国扱いとなっているため、この時点では税金はかかりません。一定の条件を満たした場合、保税区から消費者に低関税で販売することができます。

この保税区の倉庫に今、「公式ライブコマース基地」が続々と作られています。倉庫に保管されている商品を直接動画で紹介し、消費者はその動画を見ながら気に入った商品を購入することができます。商品はすぐに通関、発送されるので、最短で翌日に消費者に届きます。

保税区のライブコマース基地は今年8月末時点で浙江省杭州市、四川省成都市、吉林省長春市で運営されています。動画で紹介した海外ブランドは1000を突破、その売上は1億元(約15億5000万円)を突破しました。ライブコマース基地はさらに増設され、今後1年間で海南省や上海市など10省市でオープン予定です。

ライブコマース中の網紅(強い影響力をもつインフルエンサー)

販売チャネルの強化だけではなく、輸入する商品の信頼性を担保する取り組みも強化されています。Tモールグローバルは中国内外25か所もの政府機関、第三者品質検査機関と提携し、輸入商品の原料、生産過程、運送、輸送の検査を実施しています。グローバルトレーサビリティーによって、商品の原産地からの移動工程をきっちりと確認し、輸入商品が正規品であり、かつ品質に問題がないと保証しています。

海外直購でスモールスタートの中国進出

海外旅行をしなくても、低価格で海外ブランドの製品を手に入れられる。その意味で保税区モデルはすばらしいのですが、新商品など中国市場でどの程度売れるかわからないものであっても、まずはまとまった数の商品を保税区に送る必要があります。さっぱり売れずに不良在庫になるリスクは否めません。

そこでTモールグローバルはより低リスクで中国市場進出を実現する「海外直購」プランを導入しました。これは北米、欧州、日本、韓国、東南アジア、香港に設けられたTモールグローバルの海外倉庫から中国本土の消費者に出荷するという形態です。海外から中国本土への発送となるため保税区モデルと比べると配送時間は長くなりますが、中国本土に持ち込んだ商品が不良在庫化するリスクは回避できます。

海外ブランドはTモールグローバルの倉庫に商品を預ければ、簡単に中国市場への進出が実現します。倉庫での保管、販売、物流、顧客対応などはTモールグローバルがソリューションを提供します。

この海外直購も物流スピードの向上が計画されています。Tモールグローバル副総経理、海外直購総経理の董臻貞は、今後1年以内に新たに10路線の国際貨物便を増設する計画を発表しました。また広州、北京、上海、威海、寧波の5か所の税関と協力し、輸入商品の通関手続きをスピードアップします。

さて、新型コロナウイルスの流行が始まって半年あまりがたちましたが、海外ブランドの中国進出は減速するどころか、むしろ加速しています。2020会計年度(2019年4月から2020年3月)におけるTモールグローバルへの新規加入ブランド数は前年度比125%増を達成しました。また今年2020年の4月初頭から6月末の四半期において、TモールグローバルのGMV(総流通額)は前年同期比40%を超える高成長を達成しました。

 

*1元=15.5円のレートで換算

 

(解説・翻訳協力:高口康太/Alibaba News編集部)

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