芸能人300人、企業トップ600人が生配信。「天猫618」大型キャンペーンの目玉の一つはライブコマースに

概要:
今、中国で注目を集めるライブコマースは、動画配信による消費者との密なコミュニケーションが可能なデジタルツールとして注目を集めている。いわゆるインフルエンサーマーケティングとの類似点も多いが、リアル店舗や工場からの配信など著名人以外でも簡単に参入でき、チャンスを狙える点が注目されている。

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ストリーミング動画配信とネットショッピングの融合という新たな販売スタイル、それがライブコマースです。中国で急拡大を続けるライブコマースですが、なにもIT業界の専売特許ではありません。ライブコマースには消費者とのコミュニケーションを多様化させ、顧客との関係構築を豊かなものに変える力があります。

特に今年は新型コロナ感染症の流行があり、ライブコマース事業の成長は急加速しています。外出自粛のため、おうち時間を過ごす人が多かったのは中国も同じです。こういう時こそ、ライブコマースは力を発揮します。

そして、アリババグループによる大型ネットショッピングキャンペーン「天猫618ショッピングフェスティバル」(以下、天猫618)において、ライブコマースはさらに影響力を拡大することでしょう。なんと、300人以上の芸能人、600人以上の企業経営者と幹部、そして1万店以上のリアル店舗と約5万人の販売員が天猫618キャンペーン期間中にライブコマースに参加します。

天猫618は5月25日に事前予約販売がスタートしました。6月3日までにアリババのC to Cマーケットプレイスのタオバオ(淘宝)では累計140万回ものライブ配信が行われていますが、その効果は驚くべきものがあります。6月1日の正式販売開始から90分で、ライブコマースによる商品売上は20億元(約300億円)に達しました。6月1日全日の売上は51億元(約765億円)を突破しています。

目次:

・中国の旬の芸能人が続々登場

・企業トップがライブコマースで消費者と交流

・販売員がお店から配信

 

中国の旬の芸能人が続々登場

天猫618のライブコマースの宣伝画像。多くの芸能人の登場が予告されている。

アリババグループのB to Cマーケットプレイスである天猫(Tモール)は、芸能人出演者リストの第1陣を発表しました。呉亦凡、華晨宇、毛不易、欧陽娜娜、趙麗頴、ルハン、アンジェラベイビー、迪麗熱巴など中国の旬の芸能人が名前を連ねました。そしてなんと中国No.1のバーチャルシンガー「洛天依(ルォ・テンイ)」も参加します。彼らはライブコマースを通じて、自分たちの日常生活や美の秘密、取り組んでいる社会貢献活動などを紹介する予定です。また、各ブランドと提携した商品販売を行い、天猫618キャンペーンで期間限定の割引も提供しています。華晨宇や欧陽娜娜など一部の芸能人はライブコマースに加えて専属ページも用意します。タオバオのモバイルアプリから前述の専属ページを見ると、彼らが推薦する商品をチェックできます。

企業トップがライブコマースで消費者と交流

天猫は6月20日まで、毎日午後8時から特別ライブ配信をしています。多くの芸能人、企業経営者が出演予定です。そうです。芸能人だけではなく、中国国内外の経営者・マネジメント層が直接ライブコマースに出演するのが今年の目玉の一つです。その数はなんと600人以上。企業トップの経営幹部が消費者と交流します。忙しい経営者がわざわざ時間を割くわけですから、どれほどライブコマースを重視しているかがうかがえます。

天猫618キャンペーンの正式販売が始まった6月1日には、エアコン機器大手の格力電器(グリー)のトップであり、中国を代表する経営者の一人である董明珠がタオバオライブを通じてライブ配信をしました。彼女は以前、ライブコマースに出演した際、「こうした新しい販売方式によって、より多くの人々がスピーディーかつ直感的にメイド・イン・チャイナの製品を理解できる」と、その意義を語っています。

ライブコマースに取り組んでいるのは大企業だけではありません。企業の大小は関係なく、1台のスマホさえあれば配信できる、参入障壁の低さが魅力です。統計によると、天猫アプリでは今年2月から5月の間に、1,200以上のブランドがリアル店舗から配信し、その回数は累計でおよそ45万回に達しました。毎日4,000回以上も配信されている計算です。こうしたライブコマースの取り組みはウイズ・コロナ下でのリアル店舗の支えになったほか、ブランドに新たなマーケティングチャネルと成長機会を与えるものとなりました。

本当に、さまざまなブランドがライブコマースを活用しています。

珍しいところではお米です。黒竜江省ハルビン市五常市は米の産地として知られていますが、その五常市の劉建春副市長が5月15日、アリババが運営するライブコマース・サービスのタオバオライブに出演し、1万人を超える視聴者を前に田植えの風景を紹介しました。秋に収穫されるお米を事前販売したのです。

販売員がお店から配信

芸能人や経営者だけではありません。天猫618では、1万を超えるリアル店舗から5万人もの販売員がライブコマースを実施しています。新型コロナによる打撃から一足早く回復できるように、みな力が入っています。

先駆的な取り組みを行っているのが、アリババグループ傘下のデパート「銀泰百貨(インタイム)」です。3月から数百もの化粧品ブランドとスポーツブランドが、リアル店舗からの販売員によるライブコマースを始めています。そのために数千人ものニューリテール販売員を育成しました。たんに商品を売り込むだけではなく、ちょっとしたお役立ち情報を伝えて視聴者を引きつけるのがテクニックです。例えば、マスク映えするメイク術やコスパ重視の初夏ファッションといった気になる情報を動画で発信しています。

 

 

新型コロナ感染症の流行が収まるにつれ、ほとんどのお店が営業を再開しています。それでも一度取り組んだライブコマースをやめることはないようです。逆にさらなる積極的な取り組みが目立ちます。

天猫618の開始直前に、北京市、上海市、武漢市などの100以上の店舗で「ライブコマースによるお店探訪」の企画が実施されました。武漢市新華書店旗下の紅T書店では黄敏店長と児童文学作家の蕭袤(シャオマオ)さんが出演し、ロックダウン下の書店がどのような状況にあったか、最近のオススメ本はなにかなどを語りました。さらに繁華街である光谷歩行者天国を歩きながら、武漢の現状を伝えました。

写真は紅T書店の黄敏店長。天猫618開始直前のライブコマースに出演した。

さらに工場から直接、ライブコマースが配信される試みも始まりました。新型コロナ感染症は全世界に拡散し、大きな被害をもたらしています。中国の輸出低迷により、多くの中国製造企業が苦しんでいます。アリババグループはさまざまな支援を行っていますが、工場から直接顧客に商品を届けるC2M(Consumer to Manufacture)の取り組みもその一つ。C2M専門プラットフォームの「タオバオ特価版」を発表し、天猫618に向けてライブコマース機能も実装されました。ライブコマース配信で、工場が直接消費者にアプローチすることができるのです。

*1元=15円のレートで換算


(解説・翻訳協力:高口康太/Alibaba News編集部:松沢しゃん)

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