おネコさまに尽くす中国新世代、ペット経済は7兆円産業に
解説:
中国の消費者は次第に成熟しつつある。ともかく有名なブランド品が欲しい、ともかく豪華で大きいもの、数が多いものが欲しい。そうした規模の追求から、自分にあったもの、自分が幸せに感じるものを求める消費者が増えている。そうした新たな消費トレンドのなかでも重要なジャンルがペット経済。自分の子どものようにペットをかわいがり、さまざまなグッズやサービスに大金を支払う消費者が急増している。
私たちの生活を幸せにしてくれるパートナーがペットですが、今やその経済効果は莫大な規模に達しています。「ペット経済」なる言葉が誕生したほどです。リサーチ企業のフロスト&サリバンは、中国のペット用品・サービスの市場規模は2023年に4723億元(約7兆3200億円)に達すると予測しています(2019年発表)。2013年からの10年間で、市場規模が10倍に膨れあがるという急成長ぶりなのです。この成長はまだ継続しそうです。フロスト&サリバンによると、ペット保有世帯は2018年末で約1億世帯。全世帯の22%に過ぎません。それにペットオーナーは収入があがれば、それだけペット関連の支出も増やす傾向があります。まさに中国EC(電子商取引)業界にとっては見逃せない注目の新ジャンルとなりました。
中国EC最大手のアリババグループにとっても、ペット経済は重要なジャンルです。傘下のマーケットプレイスであるタオバオとTモールでは、過去1年の成長率は50%を超えています(6月30日時点の統計)。出品されているペット用品・サービスの総数も10万件を超えています。ペットのための食事からおやつ、健康食品、美容用品、おもちゃ、ファッション、アクセサリーなどなど、多様な商品がそろっています。
急成長するペット経済の中でも、特に伸びている商品があります。ネコ用玩具やキャットウォークが代表格ですが、前年比125%増もの急成長ぶりです。犬猫用の健康食品も75%増を記録しました。ちなみに犬とネコ、どちら人気があると思いますか? 現時点でのペット用品・サービスの売上で見ると、ネコ向けが49%、犬向けが51%。微差ですが、犬向けのほうが多いのです。ですが、成長率でみると、ネコ向けが37%と犬向けの2倍以上のペースで伸びています。もうまもなく逆転することでしょう。
ペット経済を支えているのはミレニアル世代(1980年から1990年代中盤までに生まれた世代)です。前瞻產業研究院の調査によると、ペットオーナーの45.2%は30才未満、29.5%が30代という結果が出ています。
若い世代が支えているペット経済だけに、新たなトレンドも
ペット用品・サービス以外にも新たなトレンドが生まれています。それが生配信。新型コロナウイルスの流行に伴い、急成長した配信経済はペットエコノミーにも影響し、ライブコマースを通じた販促や購入。さらには自分のペットを自慢する配信も。
タオバオライブの中でも動物モノの中毛度は高いのです。4月1日から5月20日にかけて、200万人弱がペット関連のライブコマースを視聴しています。うち68%が女性。凶悪なウイルスの流行もペット愛好家の楽しみを奪えなかった。
※1元=15.5円のレートで換算
解説・翻訳協力:高口康太、編集:AlibabaNews 編集部(広辺)
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