【2021 投資家大会】アリババ、三大戦略を確実に推進、社会の長期的な発展の動向・歩調に適応しながら成長していく

アリババグループは、「内需」、「グローバリゼーション」、「ハイテクノロジー」という三大戦略に基づき、成長チャンスをつかみ、投資を強化してきました。消費者や企業の多様化するニーズに応えると同時に、アリババの顧客価値および社会価値における良い循環を追求し、長期的で持続可能な発展を成し遂げていきます。

アリババグループ 会長兼CEOのダニエル・チャン(張勇)は、今年の投資家大会において、「将来に向けた私たちの長期的目標は、依然として変わることはありません。私たちが生きている時代は、デジタル経済の最高潮を迎えています。アリババが長年にわたって築いてきたデジタル技術を活用し、社会の長期的な発展の方向性と変化に適応しながら、進んでいくことができると信じています」と語りました。

アリババは「内需」、「グローバリゼーション」、「ハイテクノロジー」という三大戦略をベースに、「102年(3世紀)以上続く良い企業を目指す」というビジョンをグローバル範囲で目指しています。また、ESG戦略をグループの今後の発展のための重要な基盤と位置づけ、2021投資者大会において、カーボンニュートラル目標と戦略を発表しました。詳しくは、アリババが炭素排出削減に向けた戦略を発表、ビジネスエコシステム全体で2035年までに1.5ギガトンの炭素排出削減の記事をご覧ください。

また、ダニエルは「アリババはそのプロセスにおいて、世界中の20億人の消費者にサービスを提供し、1億人の雇用機会を創出し、1,000万の中小企業にサービスを提供するという長期的な目標を常に追求します。将来に向けて継続的に努力することで、アリババのお客様、パートナー及びすべての投資家に対して、新たな価値を提供することを強く望んでいます」とも述べました。

アリババグループ 会長兼CEOのダニエル・チャン(張勇)

中国の国内需要の発展における見逃せない2大チャンス

ダニエル・チャンは、「三大戦略における『内需』に関する取り組みにより、アリババは三大エンジンの加速を続けていく」と述べています。三大エンジンとは、第一にユーザー数を増加させること、第二にアリババのサービスを通じて商品カテゴリーを多様化させることでウォレット・シェアを拡張すること、第三にマーチャントが顧客に対して質の高い多種多様なサービスを継続的に提供できるようにサポートすることです。

1、最も価値がある広範な消費者に支えられている

今年9月末までの12ヶ月間、アリババの中国市場における年間アクティブコンシューマー数(AAC)は、9.53億人に達しました。同時期のARPU(ユーザー一人あたりの売上金額、Average Revenue Per User)は8,400元に達しました。ダニエルは「ユーザーベースの増加と同時に、非常に高いARPUを維持することが可能であるのは、アリババのサービスが中国において価値があるかつ広範な消費者にご利用いただいていることを示しています」と述べています。

今年9月末まで、アリババの中国市場における主な消費者層は25~44歳の消費者であり、その層だけでプラットホームのGMV(流通総額)の70%を占めており、既存顧客維持率(リテンション率)は、90%を超えるなど、非常に高い水準であり、88VIP(アリババグループのVIP会員)の大部分のメンバーもこの年齢層で構成されています。15〜24歳の消費者層は、大きな可能性を秘めており、今後4~5年の間にARPUは現在と比べ3倍増加すると予想されており、彼らが今後の主要な消費者となることでしょう。

タオバオと天猫のeコマース事業を例に挙げると、アリババはユーザー体験の向上に集中することで、市場におけるリーディングカンパニーのポジションを維持し、会員プログラムの拡大をはじめとする付加価値のあるサービスをより充実させた上で、物流面の消費者体験も改善させてきました。

2、中国の新興地域の消費者層

中国の新興地域市場に関しては、2020年に、一人当たりの平均月収が1,000元から8,000元である中国のインターネット人口が約6億人に達しました。中国国内の3~5級都市及び新興地域・農村部の消費財の小売全体の売上高は15億元に達し、新興地域と農村部のオンラインにおける小売の売上高は2015年の5倍となっています。

現在、中国の人口は約14億人、インターネット人口は12億人となっています。ダニエルは、アリババの9億5,300万の年間アクティブコンシューマーのうち、中国1~2級都市の市場浸透率はすでに99%に達しており、三級都市の市場浸透率も81%に達していますが、4級とその以下の都市においてはまだ大いに成長の余地があると考えています。

アリババのM2C(Manufacturer to Consumer)サプライチェーンは、長年にわたって構築・蓄積された「商品力」「実行力」「運営力」を兼ね備えています。その背後には、アリババのLST、サンアート・リテール、ツァイニャオ・ネットワーク等の多年にわたって蓄積されたサービス基盤があり、タオターと淘菜菜(タオツァイツァイ)のサポートによる質の高い日用消費財と野菜・果物の安定供給が可能となっています。アリババが2020年にタオター(旧称:タオバオ特価版)事業を再構築して以来、タオターの年間アクティブコンシューマーはわずか一年半で約3,000万人から2.4億人に増加しました。

注目すべき点として、新興地域以外でも淘菜菜は高効率のサービスを提供し、大都市の消費者の日用消費財や食品等に対する需要を満たしている点が挙げられます。

淘菜菜(タオツァイツァイ)を利用して、消費者が注文の翌日に最寄のローカル拠点で商品をピックアップします

これまでの投資と注力のおかげで、アリババは中国消費者に様々な物流とフルフィルメントサービスを提供し、生鮮食品や日用消費財の分野における多種多様な消費者の需要と、日増しに高まるあらゆる商品への需要を満たすことができています。アリババのフーマー、サンアート・リテール、Tモール・マート(天猫超市)、Tモール・グローバル(天猫国際)への注力により、グループの生鮮食品、日用消費財、中国以外の国と地域からの輸入商品の供給と調達能力を向上させつづけています。また、豊富な製品供給に伴い、消費者の購買力も高まってきました」と述べています。

 

マルチチャネル戦略によって生じるエコシステムの相乗効果

マルチチャネル戦略(多様なビジネスの展開を通じたアリババのエコシステムの構築)を通じて、アリババは多種多様なカテゴリーの商品を提供するネットワークを確立し、広範な中国消費者にサービスを提供できるようになりました。例えば、生鮮スーパーのフーマーとデリバリーサービスのウーラマ(餓了麼)のサービスを通じて、消費者の日常的な需要を満たし、同時にタオバオと天猫等のECサービスで消費者の多様かつ新たなニーズに応え、さらにフリマアプリのシェンユー(閑魚)により若い消費者の中古品の購入に対するニーズを満たしています。

また淘菜菜は、効率的で低コストの「翌日セルフピックアップサービス」を可能にするフルフィルメント・ネットワークを有しています。タオターは費用対効果の高い豊富な商品に、淘菜菜は翌日セルフピックアップに注力しており、いずれもM2Cモデルに焦点を当てています。これによって、新興地域の消費者に高効率、低コスト、優良なサービスと商品を提供しています。

マルチチャネル戦略に基づき、アリババのエコシステムにより大きな相乗効果を生み出しています。例えば、タオターは、アリババに新規ユーザーを取り込みました。9月末までの12カ月間、タオターアプリは3,000万人のタオバオユーザー以外の新規ユーザーを獲得しました。また、タオバオ、タオター、淘菜菜を同時に利用したことがある消費者は、同期間における年間平均購買日数(1年間に同サービスを利用し、商品を購入した日数)は、タオバオのみを利用しているユーザーの1.8倍になりました。

このことからわかるように、中国国内市場にはまだまだ成長の余地があります。アリババが早期に展開した戦略は着実に成果を生み出しており、社会の発展の方向性に適っており、目標としている中国における年間アクティブコンシューマー10億人に間もなく到達しようとしています。

グローバル事業と物流ネットワークの積極的拡大

アリババのグローバル事業は、主にAliExpress(アリエクスプレス)、Lazada(ラザダ)、Trendyol、Darazなどの複数の国・地域における多ブランド戦略に基づき展開されています。現在、(中国以外の)海外市場においてターゲットとする総人口は約12億人ですが、関連市場でのeコマース浸透率は比較的低く、今後も発展の余地があります。

たとえば、東南アジア市場全体でのeコマースの浸透率はわずか11%で、東南アジアでのLazadaの年間アクティブコンシューマー数も現地市場のインターネット人口に対して、浸透率はわずか34%です。ヨーロッパ、中東、アフリカから成るEMEA地域における現在のeコマースの市場浸透率は、わずか12%であり、アリババがサービスを展開するエリアにおけるeコマース・プラットフォームの年間アクティブコンシューマーの浸透率もわずか15%となっています。今年9月末までの12カ月間、越境及びグローバル小売事業のGMV(流通総額)は441億米ドルに達し、支払済みの注文数は前年同期比で60%以上増加しました。

ダニエルは、「月間モバイルアクティブ・ユーザー(MAU)の観点からみて、アリババのLazada、AliExpress、Trendyol、Darazは、すでに世界eコマースプラットフォームにおけるMAUランキングのトップ20にランクインしています。GMVの観点からみても、AliExpress、Lazada、Trendyolはトップ20にランクインしているため、越境及びグローバル小売事業の成長の見通しに対して自信を持っています」と述べています。

グローバル事業の成長には、インフラの構築が欠かせません。物流ネットワークの観点からみて、ツァイニャオ(菜鳥)は長きにわたって国際物流に注力しており、輸送とスケジューリング力、物流ネットワークの現地化もそれに含まれます。例えば、欧州一部の国では、セルフピックアップ用のロッカーが導入されました。これらの投資は、海外の消費者にサービスを提供し、事業の長期的な発展に必要不可欠なものです。

アリババクラウドとディントークの融合を進め、イノベーションの基礎を構築

アリババ・エコシステムのインフラとして、物流のツァイニャオ(菜鳥)のみならず、アリババクラウドの提供するクラウドコンピューティング及びビッグデータ技術の速い成長にも支えられてきました。中でも、アリババクラウドと、ビジネスコラボレーション・プラットフォームのディントーク(DingTalk)の融合を進める戦略の推進によって、アリババの組織と事業のイノベーションの基礎を構築しました。それと同時に、社会全体のデジタル化と革新をサポートしています。

ダニエルは、「アリババは将来に向けて、内需、グローバリゼーション、ハイテクノロジーの三大戦略を継続的に推進し、アリババの今後にわたる長期的な成長と、顧客の明るい未来に繋げていく」と述べています。

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