京都フィルハーモニーがリモート演奏に挑戦、アリババのDingTalk活用でオンライン録音スタジオのような一体感を醸成

1972年に創立され、約50年の歴史を持つ京都フィルは、公演の傍ら、日本各地の延べ3000校で学校音楽観賞会を開き、190万人以上の子どもたちに楽しい音楽を届け続けてきた。

しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、2020年3月以降の公演が全て中止となり、大きな損害を受けたという。

この有事をうけて、京都フィルが「音楽で気持ちを一つに」をコンセプトに、「リモートハーモニープロジェクト」を立ち上げた。アリババの提供するオンラインコミュニケーションツール「DingTalk」を活用した新たな取り組み、そして今後テクノロジーを活用し、どのような挑戦をしていきたいか、団員の方々に取材した。


コロナ禍で窮地、デジタルツールを活用した「リモート演奏」を発案

自粛が長期化する中、演奏者が各々自宅で練習を続ける状態がしばらく続いていた。そんな中、京都フィルの団員から「音楽で気持ちを一つにできないか」という提案があった。志村けんさんのほか、新型コロナ感染症で亡くなった方々と遺族に哀悼を伝えるために、みんながお馴染みの「東村山音頭」をクラシック調にアレンジし、リモート収録に挑むことになった。

団員それぞれが個別に演奏動画を録ってから、編集ソフトウェアで編集・合成する前例は既に数多くあった。しかし、演奏者にとって、仲間と気持ちを一つにして演奏すること、そしてアウトプットの音質・画質が大事だという理由で、様々なデジタルツールで模索した結果、DingTalkを採用したとのことだ。

「一人ひとりが他の人の演奏を確認しながら、一気通貫で収録できたのがとても良かった。何より、他のものと比べて、収録した動画の音質と画質が優れている」と、京都フィルのスタッフがDingTalkを選んだ理由を教えてくれた。

 

リアルタイムのリモート演奏・収録、まるでオンライン録音スタジオのような体験 

「リモート演奏が他の方法と決定的に違うのは、団員が一緒に同じ画面を観ることができ、ひとりで弾いている感じではなく、みんながカメラを通じて一緒に参加できるオンライン環境が良い。クラッシック界では演奏者がリアルタイムでリモート演奏できたのは『世界初』ではないか」と、京都フィルの小林顧問が振り返った。

「仲間の演奏を確認しながら演奏することで同調できる。今回の東村山音頭の曲は、一回も全員が揃ってリハーサルしたことがなく、それぞれが個々に練習して、リモートのみで初めて演奏・収録した曲になる。

DingTalkのビデオ会議を通じて収録することは、まるで録音スタジオで一緒に演奏しているような雰囲気を再現できたのだ。演奏者にとって大事な一発勝負という本番ならではの緊張感もあった」と、リモート演奏に参加したバイオリン奏者の森本真裕美さんが体験談を明かしてくれた。

DingTalkでリモート収録する際の画面スクリーンショット、ビデオ会議をリアルタイムで録画中

デジタルツール活用で、
世界各国の演奏者とのコラボ、僻地にある学校に音楽を届ける活動に挑みたい

日本における緊急事態宣言の解除に伴い、コロナと共存するための「ニューノーマル」を耳にすることも多く、クラシック界をはじめとするエンターテイメント業界にも新しい働き方と活動モデルの確立が求められている。

「当面の間、音楽イベントは元の通りに戻るのではなく、『ハイブリッド』で実施することになるのではないかと予想する。京都フィルをはじめ、音源を売るのではなく、新しいモデルを考え、見つけ出すことが大事だと思う。コロナが流行する前から、エンターテイメント業界のハイブリッド化が進んでいたが、今回の感染拡大の影響で一気に加速した気がする。例えば、今後DingTalkを使って世界中の演奏者を繋いで『We are the world』という曲を演奏することも可能になる」と、小林顧問がアフターコロナを見据えた京都フィルの挑戦する方向を述べた。

「京都フィルは日本の僻地といわれる山奥の学校に出張して子どもたちのために演奏している。今後も、オンライン演奏を通して活動を継続できたらいいと思う。ウィズコロナもアフターコロナも、引き続き、子どもたちに音楽を届けていきたい」と小林顧問が活動への思いを語り、「可能なら、DingTalkを使って子どもたちに音楽を教えるワークショップも考えたいね。それがリモート演奏でも生の音を感じてもらえるように技術面でも実現してくれることを期待している」と、DingTalkチームに大きな期待を寄せてくれた。

2020年春に日本向けに提供を開始したDingTalkはまだまだこれから進化していく。

 

文:AlibabaNews編集部

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