新型コロナ感染疑い症例のCT画像分析技術で、日本の医療現場を支援
- 事例1
聖マリアンナ医科大学病院と新型コロナウイルス感染疑い症例への遠隔による画像診断支援サービスの無償開始
~ エムスリー、NOBORI、アリババの3社による共同支援プロジェクト~
3月31日、アリババグループは、株式会社NOBORI、エムスリー株式会社とともに、聖マリアンナ医科大学病院による新型コロナウイルス感染症疑い症例に対するCT検査画像を用いた無償診断支援サービスの開始にあたり、共同支援プロジェクトを開始しました。
COVID-19の診断においては、臨床症状やPCR検査をはじめとした検査データとともに画像所見も重要な意義を持つと考えられます。一方で、全国の診療現場においては画像診断を有効活用できていない状況もあろうかと推察いたします。聖マリアンナ医科大病院では、従前より救急診療における画像診断活用に注力しており、24時間365日稼働している放射線部門や救命救急センター等に経験豊富なスタッフが在籍しています。昨今のCOVID-19の拡大を受け、本プロジェクトとして、新型肺炎の拡大収束の早期実現に向け、全国の診療現場の支援をできればとの想いのもと、サービスを開始することに至りました。
本サービスは、画像診断活用でお困りの日本国内医療機関を対象としており、エムスリー株式会社が運営する医療従事者向け情報サイトm3.comの新型コロナウイルス特設ページよりアクセス可能なWebページにてご利用いただけます。同Webページから新型コロナウイルス感染症疑い症例の匿名化済みCT検査画像(肺野条件)を送信いただき、検査データはセキュアな通信環境下、聖マリアンナ医科大学病院の協力医師が判定を行います。結果は同Webページを通じ、確認をすることができます。
本サービスについては、聖マリアンナ医科大学病院が読影体制を構築・提供いたします。なお、アリババグループ傘下のアリババクラウド、先端技術研究機関であるDAMOアカデミー、ヘルスケア・プラットフォームであるアリババヘルス、医療情報クラウドサービスを提供する株式会社NOBORI(本社:東京都港区、社長:依田佳久)、インターネットを利用した医療情報発信プラットフォームを手掛けるエムスリー株式会社(本社:東京都港区、社長:谷村格)が本サービスを支援しています。
【参考資料】
・テクマトリックス株式会社、2020年3月31日の発表内容
(注:株式会社NOBORIは、テクマトリックス株式会社の子会社です。)
・エムスリー株式会社、2020年3月31日の発表内容
- 事例2
新型コロナ感染疑い症例の胸部CT検査画像分析の臨床研究向けクラウドシステムの無償提供において
アリババが技術を提供
2020年3月27日、アリババグループは日本国内で臨床研究や治験向けのクラウドシステムを提供する株式会社日本ブレーンが胸部CT検査画像を用いた新型コロナウイルス感染疑い症例(以下「疑い症例」)の分析を行う臨床研究向けのクラウドシステム(以下「本システム」)の開発にあたり、当グループのアリババクラウドおよびDAMOアカデミーの技術を提供することを発表しました。
本システムは、胸部CT検査 画像を用いた疑い症例の分析を行い、医師による人的判断に補助情報を提供するデータ分析サービスです。アリババクラウド及びアリババグループの研究開発機関であるDAMO アカデミーは、本システムで使われるアルゴリズムを共同で提供します。また、本サービスは、アリババクラウドの日本国内のクラウド環境から提供されます。
臨床研究を希望する病院やクリニックは、本システムを通して、COVID-19 に感染した疑いのある患者の胸部CT 検査画像をアップロードし、分析結果を取得できます。本システムの利用に当たっては、CT 装置を使用可能な医療機関に限定し、プライバシー保護のため事前に匿名化した上で分析を行います。
本システムでは、日本ブレーンと共同で医療サービスを提供する株式会社シンプリスト(神奈川県横浜市港北区、代表取締役CEO:山内英嗣)が保有する医療プラットフォームを有効活用することで、日本ブレーンはCOVID-19 の流行期間中、COVID-19 の臨床研究を行う公共機関・医療機関に対して、本システムを無償提供することを可能にしています。
本システムは、アリババクラウドをはじめ、アリババ傘下の先端技術研究開発機関であるDAMO アカデミー(中国語:達摩院)が共同でアルゴリズムを提供し、アリババのヘルスケア・プラットフォームであるアリババヘルスも医療関連の技術情報を提供しています。また、日本ブレーンと医薬分野において学術指導契約を結ぶ山梨大学先端応用医学講座のアドバイスのもと、研究利 用環境の準備と臨床研究計画等を策定中です。
株式会社日本ブレーン 代表取締役 宮内 剛之氏は次のように述べています。
「当社は約10 年にわたり、臨床試験に関わるシステム開発に携わって参りましたが、今までの経験を活かし、当社の取り組みが今後のCOVID-19 の感染症診断や肺炎における鑑別診断に活用されること、日々身を粉にして対応に当たられている現場の医療関係者の皆様、調査・研究されている医療機関やアカデミアの皆様に感謝申し上げるとともに、それらの皆様の研究環境に微力ながら貢献できることを切に願います。」
株式会社シンプリスト 代表取締役 山内 英嗣氏は次のように述べています。
「当社はアジア地域を中心に越境型の遠隔医療システムの開発とメディカルツアー用システムの開発に携わって参りました。当社の医療プラットフォーム「magic」がCOVID-19 の拡大抑制の一助として有効活用されるように微力ながら支援していきたいと考えております。」
アリババクラウド・ジャパンサービス株式会社 カントリーマネージャー のユニーク・ソン(Unique Song)は、次のように述べています。
「当社はこれまで日本のテクノロジー・パートナーや現地の病院とともに、当社のクラウドコンピューティングとデータ・インテリジェンス・テクノロジーを通じて、COVID-19 感染症対策を支援してきました。今回、DAMO アカデミーとアリババヘルスのテクノロジーおよびヘルスケアの経験を通じて、日本のコミュニティを継続的にサポートし、その支援に注力したいと考えています。」
【参考資料】株式会社日本ブレーン、3月27日の発表内容
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