アリババ、越境ECにおける最新4大トレンドとビジネス機会を発表
1月19日、アリババは、過去2年間の調査データやアリババ幹部への取材に基づき、海外ブランドが中国の消費者を惹きつけるために参考となる最新の越境ECトレンドとビジネス機会に関する予測を発表しました。
１、中国観光客の増加
アリババは、1月8日からの中国における隔離義務撤廃に伴う中国人観光客の増加を受け、海外ブランドのビジネス機会の増加を予測しています。市場調査会社ユーロモニターインターナショナルが発表した「2022年トップ100都市デスティネーション・インデックス」によると、2019年、中国香港、日本、韓国、台湾、タイ、ベトナムなどを含むアジアのほとんどの国と地域で中国人観光客がトップの消費者となりました。
「中国からの渡航が再開されると、隣国であるアジア諸国が最も直接的な影響を受けることになります。中国観光客は日本やヨーロッパに渡航し、現地の製品を探し求めるでしょう」と、アリババグループBtoC小売事業部の責任者である劉鵬は述べています。
中国人観光客の増加に備え、アリババは海外ブランドと協力し、オンラインとオフラインの両方で新たなカスタマージャーニーを開発しています。先日、アリババはカシミアを専門とするイタリアの高級ファッションブランド、ブルネロクチネリとともに同社のデジタル店舗と実店舗を融合する取り組みを発表しました。これにより、消費者はオンラインストアで製品やトレンド、ブランドについてリサーチした後、そのままオンラインで購入するか、実店舗で試着し、質感や着心地を確認してから購入に進むか、選択できるようになりました。
２、海外ブランド需要の高まり
中国市場における海外ブランドへの需要は、コロナ禍における国際往来の制限があったにもかかわらず、伸び続けてきました。輸入消費財の売上は、2021年に約19％増の1兆7300億元（約33兆円）、2022年上半期には前年同期比11.1％増の1兆元（約19兆円）となり、同期間における国産消費財の売上がわずかに減少したのに対し、輸入消費財の売上は増加しています。劉鵬 は、「中国における消費者の嗜好は、新しいものをトライするにあたってより大胆になってきています。中国の人口は膨大なので、海外の小規模ブランドでも中国では巨大な市場を掴むことができる可能性があります」と、解説しています。
３、アウトドアとペットケア用品の継続的な成長
劉は、今年も引き続きアウトドアやペットケア用品など、特定のカテゴリーにおいて継続的な成長が見込まれると話します。3年近く続いた都市閉鎖の影響を受け、より多くの中国の消費者がキャンプ、ピクニック、スキー、釣りなどのアウトドア活動を楽しむようになりました。コンサルティング大手デロイトとTmall Global（天猫国際、Tモールグローバル）が発表した「中国輸入消費市場調査レポート2022（中国語）」では、コロナ禍における高級品の需要増加と相まって、スキー用品の輸入額は700%以上も成長したことが紹介されています。また、輸入ペット用ウェアの売上は653%増、ペット用玩具の売上は457%増を記録しました。
４、テクノロジーを駆使しブランドストーリーを伝えることの重要性
アリババは海外ブランドが中国の消費者にリーチするためのワンストップサービスを提供していますが、海外ブランドにとって最も重要な課題は、ブランドストーリーを消費者に伝えることです。コンサルティング大手マッキンゼーが発行した「中国の消費者に関する報告書（2023年）（英語）」によると、中国の消費者は購入するブランドや製品を他のどの市場の消費者よりも徹底的にリサーチしていることが明らかになっています。中国の消費者はデジタルサービスに精通しており、ソーシャルメディアやその他のオンラインチャネルを通じて自身が必要とする情報を取集しています。アリババは、ライブストリーミングや短い動画を使ってブランドのコンテンツマーケティングを支援すると同時に、消費需要に関する幅広いデータを駆使し、中国の消費者への訴求ポイントや中国で持続可能なビジネスを構築する方法など、海外ブランドが中国で事業を成功させるうえで必要な情報を提供します。
このほか、アリババは拡張現実（XR）を活用して、肌に直接メイクすることなく化粧品の色味や仕上がりを確認できる、没入型買い物体験を化粧品メーカーと共同で開発しています。
アリババは今後も、革新的なサービスを通じて、海外ブランドが中国の消費者と強い繋がりを維持できるよう支援していきます。このような取り組みにより、アリババは海外ブランドの事業成長に貢献し、中国の観光需要が回復した際には、グローバル経済の活性化にも貢献することを目指しています。
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