「天猫ダブルイレブン」ショッピングフェスティバル、日本の新ブランドが一大ブームに
15万円以上の美顔器が30秒で完売
アリババグループが毎年11月11日に開催する天猫ダブルイレブンショッピングフェスティバル(通称:独身の日。以下、天猫ダブルイレブン)は、GMV(流通総額)ベースで世界最大のショッピングフェスティバルであり、新たに中国に進出したブランドにとっては、中国全土で一気に認知を獲得するチャンスでもあります。
今年の天猫ダブルイレブンでは、日本の岐阜県に本社を置くラグジュアリー美容機器ブランド「ARTISTIC&CO.」が、そのチャンスを掴みました。
天猫ダブルイレブンに向けて先行予約販売を開始した、ARTISTIC&CO.の新商品「Dr.Arrivo Ghost Premium 24金仕様」は、予約開始わずか30秒で6,000台が完売。また、天猫ダブルイレブン特別仕様の美顔器セットボックスも、先行予約販売期間中に4,000台の売上を記録しました。ARTISTIC&CO.にとって、オフラインチャネルにおける半年の売上に匹敵する数字を達成しています。
岐阜県が本社の株式会社ARTISTIC&CO.は、従業員数100名と中小企業ながら、B2B向けのエステマシンやハイエンドの個人向け美容機器でビジネスを広げ、日本においては「プロ向けの美容機器」として高い評価を受けてきました。
しかしながら中国市場において、1万元という価格帯は、すでに市場に流通する美容機器と比べても高額です。ARTISTIC&CO.担当者の呉垠(Wu Yin)氏によると、「日本国内の高級エステサロンで知名度を上げてきましたが、中国市場に進出してしばらくはオフラインのチャネルがメインでした。正直、あの頃はオンラインチャネルでターゲットとなるような客層を獲得できるか、不安でした。」
市場調査及び顧客データの分析を経て、ARTISTIC&CO.は日本とはターゲットの年齢層が異なることに気づきました。日本の顧客層は40歳前後の方がメインですが、中国のターゲット層は20代に集中しています。「中国消費者のニーズに応えるために、今年初めて天猫ダブルイレブン仕様の美顔器セットボックスを企画しました。パッケージのデザインも若い女性を意識し、ピンク色の可愛らしい仕様にしました。」
天猫のデータによると、10月27日までの美顔器カテゴリの取引額は前年同期比で64%増加し、客単価も56%増加しています。膨大なユーザー数も、人気に火が付いた際に大きな反響を生む要因の一つです。今年9月にアリババグループが開催したイベント、投資家デーで発表したデータによると、アリババグループが保有する中国国内における、年間アクティブコンシューマー数は7.3億人です。巨大なユーザー数がヒット商品を生む土台となり、発売から人気商品になるまでの時間が大幅に短縮されました。中国の消費者の高い消費力により、ヒット商品が次々と誕生しています。
また、今回の天猫ダブルイレブンでは、天猫に出店している20万以上のブランドの旗艦店が、史上最大規模のキャンペーンを行っており、期間中に消費者のために約500億元の割引を提供しています。消費者の購買力も日に日に高まっており、美顔器のようなラグジュアリー商品のニーズも高まっています。
そして、タオバオライブのようなオンラインデジタルマーケティングツールも、消費者が商品を「見つけてから購入するまで」の時間を益々短縮しています。
呉垠(Wu Yin)氏によると、「今年9月に天猫国際が家電業界に向けて開催するイベントに参加し、初めてタオバオライブでNo.1のライブ配信者Viyaさんと共同配信を行いました。一回の配信で、2,000台以上のDr.Arrivo Ghostと、480台以上の小型美顔器が購入され、取引額は2,000万元(3億2,000万円)を超えました。この数字は、今年8月の総取引額の約700%に相当します。これにより、さらに天猫との密な連携と、オンラインとオフラインを融合させたマーケティング手法が今後さらにブランド認知を高める有効な手法であることを再認識しました。」
現在の中国市場は、世界中のブランドが注力する巨大な消費市場となっており、天猫ダブルイレブンは一年を通して、最も認知・売上共に成長が期待できるチャンスです。
天猫ダブルイレブンが誕生した2009年は、参加ブランドはわずか27でした。現在参加ブランド数は20万と大きく増加し、11年間で7,000倍に成長しました。多くの海外ブランドにとって、年に一度のこの天猫ダブルイレブンは、中国市場参入の障壁を打ち破る一つの鍵となるでしょう。
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