アリババ618、ライブコマースが中国EC必勝法と判明
アリババのタオバオ(淘宝)とTmall(天猫、Tモール)は6月29日、今年の淘宝天猫618ショッピングフェスティバルの売上結果から、中国EC市場で知名度を高め、中国の消費者を獲得するうえでライブコマースが鍵であると発表しました。今回の618においては、アップル、プラダやバレンシアガなどが自社のライブコマースを強化することで、中国の消費者から高いエンゲージメントを獲得することに成功しました。
618は、独身の日として知られるダブルイレブン・ショッピングフェスティバルに次ぎ、中国で2番目に大きなショッピングフェスティバルであり、今年の618はコロナ後初の大規模小売イベントとなりました。アリババは、5月26日から先行販売を開始後、第1弾の公式販売(5月31日から6月3日)を経て、第2弾の公式販売(6月15日から6月20日)を実施しました。過去最多のブランドが参加し、各社のGMV(流通総額)は平均で前年同期比200~300%でした。また、同期間中、2,560,000超の中小企業のGMVが前年比プラスとなり、1,180,000以上の中小企業が1万元(約20万円)超のGMVを記録しました。
今年の618においては、コンテンツ制作とライブコマース視聴が特に盛んであり、ショートビデオを毎日投稿するインフルエンサーの数は前年同期比200%増、タオバオにおけるライブコマースの1日平均視聴者数は前年同期比113%増と急増しました。618期間中、アリババのライブコマースサービスであるタオバオライブ(淘宝直播)において1,000万元(約2億円)以上の売上を記録したライブチャンネルは、前年同期比66%増の490件に達しました。
アリババの高級品プラットフォームTモール・ラグジュアリー・パビリオン(天猫奢品)によると、618開始と同時に40以上の高級ブランドが一斉にライブコマースを開始し、その数は前年同期比80%増となりました。また、Tモール・ラグジュアリー・パビリオンによると、618の最初の4時間のライブコマースによる宝飾品の売上は前年同期比1,000%、家庭用品の売上は前年同期比600%に上りました。
618のライブコマースでは、多くのブランドが単なる製品販売にとどまらず、商品啓発やブランド構築に重点を置いていたことも特徴で、タオバオライブに参加したコンテンツクリエイターのうち約4分の1は製品宣伝を行いませんでした。例えば、アップル製品の専門家は1時間の配信の中で、動画制作方法やApple Watchを運動に活用する方法などを紹介し、130万人もの視聴者と30万もの「いいね!」を獲得しました。また、バレンシアガはパリ店舗の外をモデルが闊歩する様子をタオバオライブにて配信し、153万人もの中国人ファンに視聴されました。プラダも2024年春夏メンズファッションショーをTmallにてライブ配信しました。
Taobao Tmallコマース事業グループ最高経営責任者(CEO)戴珊(Trudy Dai)は、「中国の消費者は、ショッピングだけでなく、ショッピング関連のあらゆる知識やライフスタイルの紹介、さらにはインタラクティブなエンターテインメントなど、幅広く多様なコンテンツをタオバオライブで視聴することを望んでいます」と述べています。
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