アリババとアイスタイル、「海外直送プロジェクト」で低コスト、低在庫、低工数の中国進出をサポート

アリババグループが運営する中国越境ECプラットフォーム「Tmall Global」（Tモールグローバル、以下「Tmall Global」は、2020年10月より日本最大級のコスメ・化粧品・美容の総合情報サイトアットコスメ（@cosme）と「海外直送プロジェクト」を開始しました。これはTmall Globalの海外輸入フルフィルメン（IOF）を通じて、日本の化粧品ブランドの中国市場進出を支援するというものです。2022年1月現在、同プロジェクトへの参加により、中国市場への足掛かりを掴むことのできたブランドが相次いでいます。@cosme直送店で販売の合意をいただいたブランドも順調に増えており、そうした中、進出から間もなくして中国消費者に大きな人気を博すようになったのは、オーガニックコスメブランドの「product」や、ヘアメイクアップアーティスト河北裕介プロデュースの「&be」などが挙げられます。

日本の化粧品市場の伸び悩みを受け、中国進出に目を向ける日系化粧品ブランドが増加

日本の化粧品市場は、長年にわたり成長の鈍化に直面しています。特に、2019年の電商法の改正と、新型コロナウィルスの感染拡大によって、海外旅行及びC2Cチャネルからの購買が大幅に減少し、状況は更に悪化しました（※1）。

しかし中国に目を向ければ、日本の化粧品に対するニーズは、決して弱まっていません。中国の化粧品小売市場は、コロナ禍を経ても2020年5月頃には復調傾向に戻り、年間を通して見ても、成長フェーズに戻っています（※2）。いち早く復調を果たした要因として、世界各国のブランドによる参入が相次いだ事、さらに中国の化粧品市場への投資が加速したことが挙げられます。そして、世界各国が中国市場に注力をする中でも、2020年に中国で販売された輸入化粧品のうち、日本の商品のシェアは、フランスや韓国を上回り、1位となっています（※3）。

インバウンド需要が大幅ダウンする一方、中国の化粧品市場の成長、及び日本ブランドの人気を受けて、中国進出に目を向けるブランドは増加しています。

※1　出典元　JETRO「中国の消費者の日本製品意識調査(2018年12月)」、艾媒咨询「2020上半年中国跨境电商行业趋势研究报告」
※2 　出典元　国家統計局「2015-2020年 中国化妆品市场零售总额统计及增长情况」
※3     出典元  JETRO「中国における化粧品輸入額の推移」

魅力の大きい中国市場、もっとも参入コストの高さが課題

@COSME 旗艦店内の海外直送チャネル


もっとも、中国市場への参入は、必ずしも容易ではありません。中国進出をする際には、一般貿易や越境卸、越境ECなど、様々な手段が挙げられます。しかし、コロナ禍を経た中国EC市場は、急激に競争が激化しており、どの手段も参入コストが増加しています。また、越境ECへの参入には物流・法律・税制などの知識が要求され、在庫管理や現地法人設立など初期参入のハードルが高い場合も少なくありません。特に、中小規模やまだ認知度のない新鋭のブランドにとって、中国市場への進出は困難を伴うものとなっています。


日本国内の倉庫から中国の消費者に商品を直送する「海外直送プロジェクト」で進出ハードルを下げる


そうした状況を踏まえ、アリババとアイスタイルグループは、共同で「海外直送プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、Tmall Globalの海外輸入フルフィルメント（IOF）を活用しており、同プロジェクトに参加したブランドは、低コスト、低在庫、低工数でTmall Globalにおける@cosme店舗に出店できるようになります。

中国国内の保税区にある倉庫で商品を管理する「保税区モデル」は、注文から発送までのリードタイムを短縮できるというメリットがあります。他方、商品が売れるまで簡単に倉庫から取り出せず、倉庫保管にコストが発生します。よって、既に中国国内で安定的な販売を見込むことのできる商品やブランドには適していますが、未だ中国国内で十分に認知されていないブランドや中国市場でのテストマーケティングを行いたいと考える企業などにとっては、ハードルの高いものとなります。

海外輸入フルフィルメント（IOF）を活用した「海外直送プロジェクト」において、ブランドの商品は日本国内のアリババの倉庫で管理され、注文があった後に中国の消費者に直送されます。これによって在庫調整が容易となり、少量での輸出も可能となります。また輸出にかかわる煩雑な手続きやページ制作等も不要であり、容易に中国市場への進出を果たすことができます。

現在、同プロジェクトへの参加により、中国市場への足掛かりを掴むことのできたブランドが相次いでいます。@cosme直送店で販売の合意をいただいたブランドも順調に増えており、そうした中、進出から間もなくして中国消費者に大きな人気を博すようになったのは、オーガニックコスメブランドの「product」や、ヘアメイクアップアーティスト河北裕介プロデュースの「&be」などが挙げられます。

 

海外輸入フルフィルメント（IOF）について

2019年3月、Tmall Globalは海外ブランド向けに新たなソリューション「（旧称）天猫海外フルフィルメント（TOF、Tmall overseas fulfillment）」の設立を発表しました。これによって、海外のブランドや企業は商品を少量でTmall Globalで販売できるようになりました。中国市場に本格的に参入する前から中国消費者に最適な品揃えを実験的に少量でテスト販売しつつ調整することもできます。現在、アリババグループの輸入事業群の越境ECソリューションとして、「海外輸入フルフィルメント（IOF）」に名称変更し、日本、韓国、米国、欧州地域などのブランドにサービスを提供しています。（詳細：https://www.alibaba.co.jp/service/tmall/ ）

 

@cosme istyle Tmall Global アリババ 天猫国際 越境EC