アリババが海外ブランド向けに越境ECに関するオンラインサミットを開催、ニューノーマルにおける中国消費者の日本製品購入を巡る最新トレンドを共有
アリババグループは1月12日、13日に中国進出に興味のある企業向けに、輸入事業に関するオンラインサミットを開催し、中国の海外製品市場におけるビジネスチャンスと越境ECの最新動向を紹介しました。アリババは、新型コロナウイルス感染症の流行によってニューノーマル時代が到来した現在における中国の日本製品を巡る新しい消費トレンドとして、グリーン消費、ステイホーム型消費、商品成分へのこだわり、健康投資という4つを示しました。
トレンド1:グリーン消費
ニューノーマルの下で、中国の消費者は更に理性的な消費を心がけるようになり、エコ、環境に対する意識も日増しに成熟しつつあります。中国国内における「サステナビリティ」への関心の高まりによって、環境保護という理念に基づく製品、低炭素製品には、ビジネスチャンスが広がっています。中古ブランドを取り扱う流通企業、自然を楽しむためのキャンプ用品、釣り用品メーカー、環境保護をコンセプトとするブランド、スポーツ用品やスポーツウェアを扱う日本のマーチャントにとっては、新しいチャンスの到来を意味します。例えば、2021年の天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル(以下、「天猫ダブルイレブン」)の期間中、300万人以上の消費者が海外中古品ストアにアクセスし、中古品ストアの売上は618商戦に比して倍増しました。
トレンド2:ステイホーム型消費
中国の消費者は、家にいる時間を有効活用し、多様な楽しみ方をしたいという思いを強めています。こうした「ステイホーム」型のライフスタイルと合致していることから、家庭内で使用される機器や備品、掃除用品やインテリア製品など家庭をより快適な場所とする商品が高い人気を集めています。例えば、日本のゲーム機器、VR・AR機器、フィギュア、家庭用アロマセラピー&スパ(SPA)に対するニーズは、引き続き根強いものとなっています。同時に、家飲みやホームパーティー、一人での晩酌用の日本酒、ウイスキー、ワイン、更にドリップコーヒー等の関連製品も、中国の若者の間で人気を博すライフスタイルの一部となっています。
トレンド3:商品成分へのこだわり
海外旅行は未だ回復しておりませんが、中国の消費者の高品質な輸入品に対する需要は、引き続き高まっています。消費者はより理性的になり、ブランドの認知度、製品の原材料、テクノロジーなど、さまざまな側面から自分に合った製品を選択するようになりました。高い技術力、美容医療成分、オーガニック認証された成分を含むエイジングケア製品、スキンケア製品、化粧品、美容機器は、中国の消費者の間でますます人気が高まっています。例えば、成分に焦点を当てた日本のスキンケアブランドであるIAPETUSは、中国の女性の美容医療成分を巡る消費トレンドに着目し、2021年の天猫ダブルイレブンの前夜にオンラインイベントを行い、KOLと自社オンラインストアストア主催のライブ配信を通じて、あっという間に100万元以上の売り上げを達成しました。
トレンド4:健康投資
中国の消費者は、自身や家族の健康とヘルシーなライフスタイルにますます投資するようになりつつあります。日本から輸入されたOTC医薬品、マルチビタミン、健康食品やサプリメントなどは、ルールが整備された越境ECプラットフォームを通じて中国に参入することで、日本サプライヤーからの正規品であるというお墨付きを得ることができ、ブランドのレピュテーションを維持することもできます。
今回のオンラインサミットで、アリババグループは日本企業を含む世界中のマーチャントに対して、中国市場におけるビジネスチャンスについて説明しました。アリババグループはまた、越境ECプラットフォームの天猫国際(Tモール・グローバル)、海外輸入フルフィルメント(IOF、旧称TOF)、会員制越境ECサービスの考拉海購(コアラ・グローバル)、天猫超市(Tモール・マート)などの多様なビジネスモデルを通じて、それぞれのマーチャントの事業規模と成長フェイズにあった形で、海外マーチャントの中国市場参入をサポートするための豊富なソリューションを提供しています。
中国市場における輸入品への需要は引き続き堅調
新型コロナウイルス感染症の流行により、海外旅行が制限される中、海外製品をオンラインで購入する中国の消費者はますます増えており、その需要は堅調です。アリババのデータによると、2021年12月の時点で、アリババの輸入事業プラットフォームの消費者の規模は、前年比で18%増加しました。
こうした動向を受けて、国外ブランドは越境ECを通じて中国市場への参入を模索しています。中国調査会社iResearchの予測によると、2022年に越境小売輸入ECの市場規模は前年比28%増の3,498億元に達します。アリババは多様な越境ECソリューションを提供する会社として、独自のエコシステムを構築しており、輸入事業における新記録を更新しつづけています。2021年12月の時点で、90以上の国と地域から3万5,000以上のブランドがアリババの輸入事業プラットフォームを通して中国市場に参入しており、5,000以上のカテゴリーをカバーし、豊富な製品ラインナップを中国の消費者に提供しています。
2021年、アリババと中国国外のブランドが協力して素晴らしい成果を生み出しました。同年、アリババの輸入事業のサポートにより、2,000以上のグローバルブランドが10万元以上の平均月間売上を達成し、170以上のグローバルブランドが年間売上高1億元以上を達成しました。
日本のブランドが天猫ダブルイレブンで6年連続一位 新カテゴリー参入のチャンス
アリババグループの輸入事業・「Tモール・グローバル(天猫国際)」のアジア事業開拓責任者である趙戈は、「天猫ダブルイレブンにおける日本製品の売上高は、6年連続で中国向け越境EC「Tモールグローバル」における国・地域別GMVランキングで1位となっています。これは、日本製品の競争力と人気の高さを反映しています。またニューノーマルにおける中国国内の新しい消費トレンドが、多くの日本製品の理念と共鳴するようになっています。例えば、環境保護の理念、持続可能性というコンセプト、成分の重視、在宅ライフの充実などがあります。私たちは、より多くの日本のブランドを支援して中国市場におけるビジネスチャンスの獲得の一助となります。そして、より多くの日本の中小企業のこだわりある製品を、中国消費者への提供をサポートします」と述べています。
11月12日、今年で13回目となる天猫ダブルイレブンが終了し、GMV(流通総額)は5,403億元(約9兆6,173億円)に達しました。2万9,000以上の海外(中国国外)ブランドが参加し、海外ブランドが中国の消費者へ商品を販売するための越境ECプラットフォーム「Tモール・グローバル」においては130万点以上の新商品が発売されました。
多様な越境ビジネスモデルが日本の中小企業を支援
天猫国際(Tモール・グローバル)、海外輸入フルフィルメント(IOF、旧称TOF)、考拉海購(コアラ・グローバル)、天猫超市(Tモール・マート)など、アリババの輸入事業は、国外ブランドが中国の消費者への更にアプローチをする際に役立つプラットフォームやソリューションを提供しています。
その中でも海外輸入フルフィルメントは、アリババが海外の中小ブランド向けに提供する費用対効果が比較的高いかつ、効率的な越境ECソリューションです。このソリューションは、SKU数の多い製品やニッチな商品などを取り扱っており、中国市場でまだあまり知られていないマーチャントやブランドが、テストマーケティングを行うために多く活用しています。マーチャントは中国の保税倉庫に事前に在庫を用意する必要はなく、グループ傘下の物流会社である菜鳥国際(ツァイニャオ)が世界各地に設置した海外倉庫に商品を保管し、中国の消費者の注文を受けてから、中国に出荷します。このビジネスモデルは、物流と倉庫、および販売と運営のコストを削減し、ブランドがスピード感をもって中国市場に参入する際の非常に効果的なルートとなっています。2021年11月現在、5,000以上のブランドが海外輸入フルフィルメントを利用し、アリババの海外直営店を通じて、100万SKUを超えた製品を中国消費者に提供しています。2021年11月までの12か月間、事業全体のGMVは前年比で1,400%増加しました。また、昨年の天猫ダブルイレブンの期間において、日本のIOFの売上高は、2020年に比べて280%増となりました。こうした実績は、このモデルが日本ブランドの中国市場への参入にとって大いに役立つことを示しています。
また天猫国際は、日本最大の美容レビューサイトであるアットコスメ(@cosme)と提携し、新ブランドと製品のマーケティングに関する知見をマーチャントに提供しています。アットコスメと天猫国際は海外直営店事業で業務提携し、約100の日本ブランドの中国市場への参入をサポートしました。これにより、天然成分を使用したオーガニック化粧品ブランドであるkokobuy(ココバイ)など、数多くの日本の中小ブランドが成功を収めています。さらにブランドが中国事務所を開設せずに事業を展開できるようにサポートし、中国市場開拓のためのコストを削減できるようにしています。
1月12日、13日に開催されたアリババグループの輸入ビジネスに関する年次イベント「オンラインサミット Gateway to China2022 Alibaba Import New Seller Summit」は、昨年に続き2年連続でオンラインにて実施され、グローバルブランドの成長を加速させるとともに、中国の消費者の多様なニーズに対応するため、ブランドやマーチャント向けに中国市場に参入する様々なルートをご紹介しました。
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