【2021 投資家大会】アリババの新規事業が台頭、持続可能な発展に期待
12月16日、2021年度アリババグループ投資家大会(2021 Investor Day)がオンラインで開催されました。アリババは投資家に対して、「内需」、「グローバリゼーション」、「クラウドコンピューティングとビッグデータ」というグループの三大戦略の下で、将来に向けた投資の継続による成果、アリババエコシステムの相乗効果による巨大なマーケットチャンスについて説明しました。
アリババグループは三大戦略に基づいて、新規事業と戦略上の主要分野に投資をしており、今年9月までの四半期には、淘特(タオター、旧称「タオバオ特価版」)、コミュニティ(社区)コマースプラットフォーム、東南アジアのEコマースプラットフォームであるLazada(ラザダ)等の新規事業がいずれも予想を上回る成果をあげています。
アリババグループの会長兼CEO ダニエル・チャン(張勇)は、かつて、決算発表電話会議において自社の業績について次のように述べています。「我々は、常に自信をもって能力開発、価値創造、多様なエンジンによる成長を続けていきます。これによりお客様と投資家の皆様に中長期的な利益をもたらすことができると確信しております」。
アリババグループは投資家大会において、新規事業への投資と戦略上の主要分野の業績の要点を公開しました。
・淘特(タオター)と淘菜菜(タオツァイツァイ)は、M2Cモデル にフォーカスし、中国国内の新興地域において、新規ユーザーを獲得し、スティッキネス(サービスに対するユーザーの愛着心、利用時間や頻度で測られる)も高めています。9月までの四半期末に、淘特と淘菜菜の重複ユーザーを除く年間アクティブ・コンシューマー数(AAC)は、前年同期比200%増の7億に達し、重複ユーザーを除いた1日あたりの平均注文数の成長率は、前年比400%以上となっています。淘特と淘菜菜二つのサービスを使用したことのある消費者の年間平均購買日数(1年間に同サービスを利用し、商品を購入した日数)は、タオバオのみを利用した消費者の年間平均購買日数の1.8倍となっています。
・淘特の最新のAACは4億を超え、年間注文数の成長率は前年比290%以上となっています。工場からの年間M2C注文件数は11億件に達し、農産物の年間注文件数は1.8億件に達しています。
・淘菜菜はツァイニャオネットワーク、ツァイニャオステーション、ツァイニャオ農村物流を活用してフルフィルメントの効率を向上させ、97%の注文を翌日の正午までに配達できるようになりました。これにより、各家庭が新鮮な食材を用いて昼食を準備できるようになっています。
・各ローカルサービスが構成したビジネスユニットの相乗効果も明らかになっており、2021年10月の国慶節休暇(10月1日~7日)期間中、高徳地図(エーマップ)を携帯電話や車上で利用したデイリーアクティブユーザー数(DAU)がピーク時には2億に達しました。10月、口碑(コウベイ)がエーマップ経由で獲得したGMV(流通総額)は前年同期比で500%を超える増加を達成し、フリギー(飛猪:Fliggy)はエーマップ経由で50%を超えるGMV(流通総額)の成長を達成しました。
・Lazadaは、ユーザーの数と品質を着実に向上させています。2021年9月末までの12カ月間で、LazadaのGMV(流通総額)は210億ドルに達し、品質も向上し続けています。Lazadaの年間アクティブ・コンシューマー数(AAC)は過去18カ月間で80%増の3億人に達しました。月間モバイルアクティブ・ユーザー(MAU)は70%以上増加し、1.59億人に達しました。
淘特と淘菜菜:M2Cモデルが中国の新興地域の市場を打開
中国の新興地域の人口は膨大で、彼らはコストパフォーマンスを重視しています。中国国家インターネット情報弁公室(CAC,通称国家網信辦)が発表した「第47回中国インターネット発展状況統計報告」によると、2020年の中国における平均月収が1,000元から8,000元までのインターネットユーザーは、6億人近くに達しています。
アリババグループの産業Eコマース事業群 兼 コミュニティ(社区)Eコマース事業群のプレジデントである戴珊(ダイ・サン)は、次のように述べています。「アリババはM2C(Manufacturers-to-Consumer、工場/産地から消費者へ)モデルに焦点を当て、生産側から消費者までの商品流通方式を根本的に簡素化して変革し、日々高まりを見せ、変化を続ける中国の新興地域の消費者のニーズに対応していきます。」
アリババグループは2年足らずの間に、新興地域に特化したEコマース分野における2C事業の1つである淘特と新しいコミュニティ(社区)Eコマース事業の淘菜菜を相次いで設立しました。淘特は、豊富なコストパフォーマンスの高い商品を打ち出し、淘菜菜は、効率が良く、コストの低い「翌日セルフピックアップサービス」を提供できるネットワークを構築しています。この二つの事業によって、新興地域に向けてサービスを提供するというアリババの新たな事業を構築し、新興地域の消費者に対してタイムリーに低コストで良質な商品を届けています。
淘菜菜は、朝・昼・晩の食事を中心に、注文をした翌日には商品をピックアップできる「翌日セルフピックアップサービス」によって差別化を図る宅配方法を採用することで、各家庭の日常的なニーズを満たし、スティッキネスを向上させています。また、淘特と淘菜菜は、産地にも深く浸透しています。新興地域市場向けに費用対効果の高い多様で独特な商品をカスタマイズすることで、淘菜菜の「翌日セルフピックアップサービス」との相乗効果を生み、多くの新規ユーザーを獲得しました。
9月までの四半期末に、淘特と淘菜菜の重複ユーザーを除く年間アクティブ・コンシューマー数(AAC)は2.7億に達し、前年比200%の増加となりました。その中でもグループサービスの新規ユーザーの割合は高く、重複ユーザーを除いた1日あたりの平均注文数の成長率は前年比400%を上回りました。また、スティッキネスも大幅に改善されました。タオバオ、淘特、淘菜菜という三つのサービスを使用したことのあるユーザーの年間平均購買日数は、タオバオのみを利用しているユーザーの1.8倍となっています。
アリババエコシステムの相乗効果で新興地域にサービスを提供
M2Cモデルによる商品力、フルフィルメント力、運営力、この3つのコアとなる能力を構築することで、淘特はわずか2年で輝かしい成績を収めることができました。淘特の最新の年間アクティブ・コンシューマー数(AAC)は2.4億を超え、年間注文数の成長率は前年比290%を上回り、工場からのM2Cの年間注文件数は11億件、農産物の年間注文規模は1.8億件に達しました。淘特は、設立以降の22年間で培った経験から、生産能力に優れた多くの工場との関係性を有する1688.comを背景に、優秀な工場で製造されたコストパフォーマンスの高い商品をコアコンピタンスとしています。9月までの四半期末時点で、約6,000の工場が1,700種類以上の商品を淘特の「工場直営店」で販売し、消費者の日々のニーズを満たしています。
淘菜菜は4ヶ月間の試験運用を経て、その誕生から1年を迎えました。設立間もないとも言えるコミュニティEコマース事業は、M2Cモデルの4つのコアコンピテンシー(商品力、フルフィルメント力、チャネル力、運営力)を基盤として、わずか1年間で商業インフラの戦略的配置を完成させました。9月の四半期末までに、淘菜菜の地域配送センターの面積の増加率は、過去6ヶ月間で350%を上回り、GMV(流通総額)の成長率は530%を越えました。
ツァイニャオ物流、ツァイニャオステーション、ツァイニャオ農村物流の能力に依拠している淘菜菜はフルフィルメント効率を向上させ、97%の注文を翌日の12時までに配達可能にし、各家庭が新鮮な食材を用いて昼食を作れるようなサービスを提供しています。また、中国最大の小売店の1つであるサンアート・リテールとの密接な提携により、淘菜菜は豊富な商品ラインアップを持ち、半年間で1,600以上の国内外の有名ブランドからの仕入れを行い、3,500以上のサンアート・リテールのプライベートブランドを取り扱っています。設立から7年経つアリババ農業生産基地の直接仕入チームも、700を越える農業生産基地のリソースを提供しています。
また、淘菜菜は、コミュニティEコマースの特徴であるチャネル力、すなわち、コミュニティチャネルを広げることでそのサービスを享受する住民に、より便利なサービスを提供しています。過去5年間でアリババのLST(零售通)は、100万単位の店舗に対しサービスを浸透させました。今年は一部の小売店が淘菜菜のコミュニティ(社区)における商品のピックアップスポットとなり、現在では56万の小売店が機能しています。淘菜菜がカバーする100以上の都市にある45,000超のツァイニャオステーションが、コミュニティマーケティングと「翌日セルフピックアップサービス」を追加で実施しています。また、ツァイニャオ農村では、その物流のラストワンマイルにある物流拠点を淘菜菜の地域における業務代理店にアップグレードし、物流と商流を組み合わせ、物流リソースをそれぞれの地域拠点で共有し有効活用することで、9月時点で県域のカバレッジは40%に達しています。
事業プレジデントである戴は、アリババエコシステム全体が淘特と淘菜菜をサポートしていることを指摘しました。商品力では、1688.com、サンアート・リテールおよびデジタル農業に加えて、淘特は9月に阿里健康(アリヘルス)を導入し、オンライン診断や薬の宅配を通じて、農村住民の医療へのアクセスをより容易にしました。フルフィルメント力は、ツァイニャオネットワーク、ツァイニャオ農村との密接な提携が支えています。運営力では、淘菜菜、淘特、タオバオという三者の組み合わせは、異なるターゲットに対して最高のリーチとユーザー体験に優れたインターフェイスを提供しています。そして、このすべては、アリババクラウドの代表的なデジタルベースとアントグループが誇る決済金融ベースの上に構築されています。
戴はさらに、「新興地域の可能性は大きいですが、その拡大は一朝一夕に成し遂げられるものではありません。育成は困難で時間もかかりますが、希望に満ちたプロセスです。」と述べ、「これはほんの始まりに過ぎません。将来を見据え、健全で持続可能なデジタルM2Cモデルを構築するために、ビジネスインフラの構築と発展に引き続き取り組んでいきます。」とコメントしました。
タオバオ、天猫(Tモール)の消費者の多様性がもたらす持続的な成長機会
この1年間、タオバオ、天猫(Tモール)を含む中国小売市場の消費者数の規模は急速な成長を続け、月間モバイルアクティブ・ユーザー(MAU)は6,500万増の9.46億となり、プラットフォームの年間アクティブ・コンシューマー数(AAC)の増加数は1億を上回り、8.63億に達しています。
タオバオおよび天猫のプレジデントである蒋凡は以下のように述べています。「消費者規模の観点から見ると、当社のプラットフォームは基本的に中国の主要な消費者層である9億人近くをカバーしています。将来の事業の中心は、どのようにこれらの消費者によりよいサービスを提供し、変化し続ける消費者ニーズを満たすのかという点にあります。ユーザーの増加と共に、プラットフォームも成長し続けていきます。」
ユーザーの年齢層と購買能力から見る発展のチャンス
- 25歳から44歳までの主な消費者層:この層の購買金額は、プラットフォームにおけるGMV(流通総額)の70%に達しており、既存顧客維持率は90%超となっています。プラットフォーム上で最も消費力の高い88VIPメンバーの大半は、この消費者層です。88VIPメンバーのARPU(ユーザー1人当たりの消費額、Average Revenue Per User)は、市場平均の8倍であり、88VIPメンバーとなったユーザーのARPUは、メンバーとなる前に比べ平均30%増加しています。 過去1年間、88VIPのハイエンドユーザー向けサービスの最適化を継続した結果、消費者に広く認知され、メンバーシップの期限切れのタイミングにおける更新率は80%を超えています。現在、88VIPプランとタオバオ節約カード(タオバオ省銭卡)の合計会員規模は、5,000万人を超えていますが、プラットフォームの主な消費者層の規模と比べると普及率は低く、成長の余地が大きいと考えられます。
- 15歳から24歳までの成長を続ける消費者層も増えており、4~5年後にはプラットフォームの主要消費者層となる見込みです。ARPUは5年後に3倍増加すると予想され、すでに市場平均ARPUを大幅に上回っています。タオバオ・天猫のプラットフォームにおけるこの年齢層の浸透率は、90%と高い水準となっています。
- 45歳以上の中高年消費者層:新型コロナウイルス感染症の流行によりオンラインを使用する中高年層の増加が加速し、過去2年間において、45歳以上の中高年の消費者数は急速に成長しています。同アリババのプラットフォームは、豊富な供給力を擁するタオバオと淘特の連携を通じて、商品のコストパフォーマンスを注目する中高年層の消費者により良いサービスを提供しています。
同時に、我々はユーザー体験の最適化に専念しています。プラットフォームに加盟したマーチャントが自ら配信を行うライブコマースは、過去1年間で急速に成長し、タオバオライブによるGMV(流通総額)の60%に達しています。また、ショートビデオコンテンツは、ユーザーのショッピング体験を向上させるための牽引役となっており、この1年間、ショートビデオの誘導による1日当たりの取引額が50%増加しました。
マルチチャネル戦略(多様なビジネスの展開を通じてユーザーと様々な接点を持っているアリババのエコシステム)の下で、約9億人のユーザーを抱えるタオバオアプリに、閑魚(Idle fish)、点淘などのサービスを組み合わせることで、ユーザーのアプリ使用時間とスティッキネスを高めています。プラットフォームとして、継続的かつ豊富なサービスの提供、および顧客体験の継続的なアップグレードを行うことで、9億人以上のユーザーにより良いサービスを提供するだけでなく、マーチャントのサポートも継続していきます。
蒋は、「タオバオと天猫(Tモール)のユニークな価値は、マーチャントに、消費者及び商品の全体的なライフサイクルに対応できる運営をサポートすることにあります。私たちはマーチャントに高品質で持続可能なビジネス上の基盤とリソースを提供し、長期的なビジネス効率を継続的に改善させます。そして、マーチャントが私たちのプラットフォームで長期的に成長できるよう、パートナーに価値をもたらし続けられるようにしています。」
ローカルサービス事業の顕著な相乗効果
iResearchの予測データによると、2025年までに、中国のローカルライフサービス市場の規模は2020年の20兆元から35兆元までに増加し、オンラインデジタル化の浸透率は2020年の24%から31%までに上昇すると予測されています。中国のデジタルローカルサービス市場の急速な成長が見込まれています。
アリババグループは、デリバリーサービスのウーラマ(餓了麼)、マップアプリの高徳地図(エーマップ、Amap)、旅行プラットフォームのフリギー(飛猪、Fliggy)、口コミアプリの口碑 (コウベイ)の4つの事業から構成されるビジネスユニットを通じて、デジタルローカルサービスを提供しています。9月までの四半期に、ローカルサービスの年間アクティブ・コンシューマー数(AAC)は3.5億に増加し、年間アクティブマーチャント数は約280万に成長しました。 ウーラマとエーマップは、それぞれローカルサービスの「到家(家に持ってくる)」と「到目的地(目的地に行く)」の主要なユーザーポータルになっています。
ウーラマの当四半期末の年間AACは前年比28%増加し、注文数も前年比35%の増加を成し遂げました。この成長は過去1年間に、アクティブユーザー1人あたりの購入頻度がさらに増加したことによって実現しました。アリババの数十年にわたる飲食業界以外でのEコマースの経験が活かされた結果、非飲食店からの注文数は前年比79%増で、より配送時間が重視されるアルコールと飲料、医薬品の注文数は前年比100%超の成長となりました。
エーマップは、旅行や目的地でのサービスに対するユーザーの強いニーズを満たすために、ナビゲーションサービスを基盤として、現地の生活サービスを提供する他のビジネスと連携し、配車、ホテル予約、グルメ探し、チケット購入、ガソリンスタンド、充電サービスなど、目的地周辺の様々なローカルサービスを提供しようとしています。2021年10月の国慶節休暇(10月1日~7日)期間中、携帯電話や車上でエーマップのサービスを利用したデイリーアクティブユーザー数(DAU)はピーク値で2億を突破しました。今年の10月、口碑がエーマップ経由で獲得したGMV(流通総額)が前年同期比で500%を超える成長を達成し、フリギーはエーマップ経由で50%超のGMV(流通総額)の成長を達成したことで、サービス間の提携による相乗効果が明らかになりました。
Lazadaは東南アジアで着実に成長
東南アジア地域におけるトップクラスのEコマースプラットフォームである「Lazada」はこの1年でさらなる成長を遂げています。LazadaグループのCEOである李纯(リー・チュン)は、次のように述べています。「インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの主要市場におけるEコマース産業は急速な発展を遂げていますが、まだ成長の初期段階にあります。2025年には、Eコマースの浸透率が2020年の8%から2025年の20%に増加すると予想されています。」
過去1年間、Lazadaのプラットフォームとしての各指標は急速な成長を遂げており、2021年9月までの12カ月間、LazadaのGMV(流通総額)は210億ドルに達し、クオリティも向上し続けています。Lazadaの年間アクティブ・コンシューマー数(AAC)は、2020年3月末と比べ、過去18カ月間で80%増の1.3億に達しており、月間アクティブ・ユーザー数(MAU)は70%以上の増加で、1.59億となっています。
Lazadaは、消費者、マーチャント、マーケティングソリューション、ロジスティクスの4つの主要分野で確固たる基盤を築き、良好な発展を示してきました。
Lazadaは、包括的で堅調なユーザー獲得の仕組み、及び多様なチャンネルの活用で新規ユーザーにアプローチしています。Lazadaが構築した独自の物流ネットワークは東南アジアで2番目に大きなB2Cネットワークに成長し、消費者に高質の物流サービスを提供しています。
Lazadaはライブ配信等のインタラクティブな方法を駆使して、プラットフォームにおけるユーザーのアクティブ度を向上させています。マーチャントは、「見ながら買う、See Now、Buy Now」機能を推し進めた東南アジアで唯一のEコマースプラットフォームであるLazadaにおいて、リアルタイムで商品を紹介し、新規顧客にアプローチし、さらにブランドのファンにすることが可能です。今年の天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル期間中、LazLiveの視聴者数は1,800万に達し、LazLiveによるGMV(流通総額)は前年比187%増となりました。
Lazadaはプラットフォームインキュベーションメカニズムと一連のサポートツールを通じて、マーチャントの育成にフォーカスし、中小企業の継続的な成長をサポートしています。プラットフォーム上のマーチャント数は急速に増加し続けており、過去1年間の成長率は98%に達しています。 プラットフォーム上の月間アクティブマーチャント数は、前年比87%の増加を成し遂げました。
ツァイニャオのグローバル事業の売上が増加、さらなるグローバル化へ
輸入サプライチェーン、輸出ネットワーク、さらには国際貨物ネットワークを含む3つのグローバルロジスティクスネットワークサービスに進展がありました。本会計年度の上半期、ツァイニャオのグローバル事業の売上高は前年同期比で40%以上増加しました。
ツァイニャオネットワークのCEO万霖(ワン・リン)は、「越境事業に関連した収益はすでにツァイニャオ全体の収益の50%以上となっており、グローバリゼーションがツァイニャオの長期的戦略となっています。」と述べました。
また、「ツァイニャオネットワークは、コーヒー1杯の価格で世界中のあらゆる場所に荷物を配達できるようにしたいと考えています。ツァイニャオネットワークが推進する5ドルで10日配達というサービスは、すでに20か国以上をカバーしています。さらに2ドルで20日配達というサービスは、50か国以上をカバーしています。こうしたサービスは、ツァイニャオネットワークを利用する越境Eコマースマーチャントのニーズに適しており、物流ネットワークはすでに1日あたり400万個以上の荷物を輸出する大規模なものとなっています。」と述べています。
ロジスティックスハブに関しては、ツァイニャオは今年、マレーシアのクアラルンプールとベルギーのリエージュで2つの物流拠点「eHub」を完成させ、正式に稼働を始めました。「eHub」は、今年の天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバルでも大きな役割を果たしました。さらにヨーロッパで15の大型配送センターの展開に着手し、その内7つがすでに建設されました。さらに、ツァイニャオは幹線と通関への投資を増やし、ヨーロッパのいくつかの国でセルフピックアップロッカーを設置し、ユーザー体験と効率性を向上させています。
また、ツァイニャオネットワークは近い将来、ラストワンマイルが顧客体験と効率におけるひとつのボトルネックになると考えています。ワン・リンは「セルフピックアップロッカーの導入により、ラストワンマイルの全体の効率とユーザー体験のさらなる向上を目指します。」と述べました。今年からツァイニャオネットワークはロシア、スペイン、フランス、ポーランドを含むヨーロッパの一部の国でセルフピックアップロッカーの設置を試み、すでに4,000個以上のセルフピックアップロッカーが設置されています。現在さらに多くのセルフピックアップロッカーの配分と設置を計画しています。
ワン・リンは「基盤となる世界規模のスマート・バックボーンネットワークへの投資と構築は、私たちの顧客に対するサービスの質を変え、最終的にはビジネス全体の成長をもたらします。」と述べました。
同時に、ツァイニャオは物流テクノロジーをアップグレードし続けています。IoT技術や電子伝票などのSaaSサービスを含む物流テクノロジーを物流パートナーに提供し、パートナー全体のデジタル化をサポートすることで、サービス全体の能力と効率を向上させています。消費者のニーズを満たすために、ツァイニャオは包括的なIoT技術とスマートソリューションを基盤とする無人物流ステーションを開発して展開し、現在100カ所以上に配置しています。無人物流ステーションは、ステーションの責任者が退勤した後でもエンドユーザーにサービスを提供することを可能にします。具体的には、消費者はスマートフォンを通じて自らステーションに入ることができます。無人防犯システムが整備されているセルフサービスは、消費者により良質で包括的なサービスと顧客体験をお届けします。
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