アリババ、618ショッピングフェスティバルに向けて新たなマーチャント支援策を実施
アリババグループは、タオバオとTmallのマーチャント(出店者・出店企業)向けに、資金繰りの円滑化、サプライチェーンサービスの改善などを含む新たな支援策を導入しました。これらの新しい取り組みは、現在の厳しい状況のなかにあっても、マーチャントが6.18ショッピングフェスティバルの商機を的確に捉えられるよう支援することを目的としています。
アリババグループ会長兼CEOのダニエル・チャン(張勇)は、5月26日の決算説明会で、「不透明な状況において、サプライチェーンと物流の安定性を確保することは、消費マインドを改善し、より良い事業環境を醸成する確実な方法です」と述べています。アリババは第4四半期、中国の多くの都市で新型コロナウイルス感染症が再拡大した際も、独自のプラットフォーム機能を活用し、マーチャントや地域社会を支援しました。
6.18ショッピングフェスティバル(以下618)の先行販売期間を前に、アリババは以下の主要な取り組みを実施しました。
- 資金流動性を支える売掛金の即時払い:
618関連の注文に対して、マーチャントへの即時振込を実現し、通常10~15日かかる売掛金の回収サイクルを大幅に短縮しています。これによりマーチャントの資金流動性を高め、より柔軟な事業運営を実現します。アリババは今年、消費者が5月26日から30日までの先行予約購入期間に支払った内金のうち、計約100億元を直ちに各マーチャントに振り込みました。6月1日から注文が履行され次第、マーチャントは最大1,000億元の売掛金を受け取ることができます。
また、越境ECプラットフォーム「Tmall Global(天猫国際)」では、6月1日から30日の期間に倉庫から商品が発送され次第、越境事業に携わるマーチャントに最大40億元の売掛金の前払いを行い、売掛金の回収期間を20日以上短縮します。 - サプライチェーンの効率化でより迅速な注文処理と配送を実現:
アリババグループの物流事業「ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)」は、マーチャントが在庫の最適化とタイムリーな配送を行えるよう、中国の21都市で在庫計画から倉庫管理、ラストマイル配送までのエンドツーエンド・ロジスティクス・ソリューションを提供しています。ツァイニャオ・ネットワークは、マーチャントのニーズに対応するため、100万平方メートルの倉庫スペースと500万平方メートルの周辺倉庫を提供しています。ツァイニャオ・ネットワークはコロナ禍における国際サプライチェーンの混乱を最小限に抑えるため、Tmall Globalと提携し、マーチャントが複数の倉庫にアクセスでき、倉庫間をワンクリックで移動できるようにしました。
- コロナ禍で影響を受けたマーチャントに対する特別措置:
タオバオ、Tmall、Tmall Globalは、コロナ禍で影響を受けたマーチャントに対して、出荷遅延を報告する仕組みや消費者からの返金請求に対応する猶予期間の延長などの特別措置を導入しています。 - マーチャント向けの無料EC運営研修プログラムを提供:
アリババ傘下のオンライン学習プラットフォーム「タオバオ教育」では、マーチャント向けに、コンテンツマーケティングや会員管理などのEC運営研修プログラムを無料で提供し、618に向けてマーチャントのスキル向上を支援するオンライン講座をライブストリーミングの形で開催しています。
マーチャントはこのような施策を歓迎しています。
「これまでの大型キャンペーンでは資金繰りに追い込まれることはありませんでしたが、今年はこのように手元の資金繰りが円滑化・迅速化したことで、非常に大きなメリットがあります。私たちの資金回収が早ければ、上流のサプライヤーへの支払いも早くなりますから」と、「永璞珈琲」の創業者である洪永璞氏は述べています。
「当社の米生産拠点は中国の東北部にあり、大型キャンペーン時は注文が殺到し、社内のフルフィルメント能力を超えてしまいます。ツァイニャオ・ネットワークは、近接型物流施設を持つため、前もって中国各地にある倉庫に在庫を分散保管しておくことができ、当社の配送効率を改善し、顧客体験を向上させます」と、Tmall で米販売業者「米大師(Rice Master)」のニューリテール部門責任者・王双氏は述べています。
「複数の倉庫に商品を分散させることで、一つの倉庫に商品を集中させるリスクを減らすだけではなく、コストを節約し、物流効率も向上することができます」と、日本の化粧品ブランド「Bb LABORATORIES」は述べています。618に備え、同社はスキンケアのベストセラー商品を相当数用意しています。
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