環境保護、若者支援、途上国開発など、アリババチャリティー活動のリーダーたち

解説:
アリババグループはチャリティー活動への積極的な取り組みで知られる。2010年に売上の0.3%を寄付する方針を定め、2011年にはアリババ公益基金会を発足させました。2015年には全従業員に最低でも年3時間のボランティア活動を行うことを勧めている。また、毎年9月5日前後を公益週間と定め、さまざまなチャリティー活動を展開している。こうしたチャリティー活動をリードするのがアリババ公益委員会だ。

「みなが参加してこそのチャリティー活動」。これがアリババグループの考え方です。この言葉通り、グループ一丸となって、さらにアリババ・エコシステムに参加するパートナー企業や消費者、社会と連携して、活動を広げています。

こうした、アリババグループのチャリティー活動をリードするのが、です。公益委員会は2012年に発足し、3年ごとに改選してきました。今年は第4期委員が選ばれました。

改選には全世界アリババ社員から180人以上の立候補者が集まりました。立候補者たちによる演説や討論会、チャリティー活動の実践評価などの選抜活動は数カ月にもわたりました。投票の末、ついに12人の委員が選ばれています。うち2人が。今後3年間、アリババグループの25万人の従業員を代表して、どのようにチャリティー活動を進めていくか、アリババグループ公益基金をどのように活用していくかの舵取りを担います。

2021会計年度(2020年4月~2021年3月)に、アリババ公益プラットフォームには5億5000万元(約94億円※)もの寄付金が集まり、5億人もの消費者が参加しています。これだけの金額、これだけの人々の期待を担うわけですから、公益委員会委員たちの責務は重大です。

さて、以下では、今回初めての横顔を紹介いたします。

テクノロジーで新興国の農村に光を

新たな委員の一人として選出された、ビアンカ(Bianca)は香港出身です。10歳からボランティア活動に参加するなど、子どもの頃からチャリティー活動に積極的でした。ルワンダの農村で太陽電池による照明を設置するプロジェクトに参加したしたこともありますし、カンボジアでは太陽電池を設置したカーボンニュートラル学習センターの建設に協力しました。雲南省では小学校の図書館の建設プロジェクトに参加し、撮影クラスの授業を担当したこともあります。

写真はルワンダでチャリティー活動を行うビアンカ

こうしたチャリティー活動は決して簡単なものではありません。ビアンカによると、ルワンダのプロジェクトでは渡航1年前から準備を重ねたといいます。太陽電池と照明システムの設置方法とメンテナンスについてしっかり学んだほか、ルワンダの歴史や文化についても学習しました。また、現地にはさまざまな風土病があります。予防のために8種類ものワクチンを接種する必要があったそうです。

それだけの準備をしても、プロジェクトは苦難の連続でした。ルワンダの農村家屋は非常に脆弱で、家を壊さないように太陽電池を設置するのは気を使います。また、日が落ちる前に急いで作業を終わらせなければ周囲は暗闇に包まれます。。

大変な苦労を重ね、ビアンカは10世帯に太陽電池を設置しましたが、その効果は大きなものでした。日が落ちても明かりがある。明かりがあれば勉強ができる、仕事ができる。生活水準は改善し、近所の人々ともおしゃべりできるなど、付き合いも広がります。

さまざまなチャリティー活動プロジェクトに取り組んできたビアンカが今、構想しているのは新たなチャリティー活動プラットフォームの構築です。

「意欲がある人が実際に人々の手助けができる。日常に愛のある手助けを取り入れられる。そんなことができないかと考えてきました。そこで、ボランティアと、子どもや高齢者など助けを必要とする人々をマッチングするプラットフォームを構築できないか、構想しています」

とどまることのないビアンカの熱意は、高く評価されています。公益委員会委員の選出を担当した関係者は、次のように話しています。

「チャリティー活動に対し、無限の熱意を持っている。次世代のアリババチャリティー活動を代表する人物になるだろう」

プログラミング教育で若者たちの未来を作る

続いてご紹介するのは立候補者の一人、オリバー・アラファト(Oliver Arafat)です。アリババクラウドのドイツオフィスで、ソリューション・アーキテクトとして働いています。この仕事につけたのは、子どもの頃にプログラミング教育を受けられたためです。家庭環境に恵まれたことにオリバーは感謝しています。

しかし、誰もがそうした幸運に恵まれたわけではありません。そこで、オリバーは「Kodestarter」という民間非営利団体(NPO)を立ち上げました。若者たちのために、プログラミング・キャンプを開催することを事業としています。たんにプログラミングの知識を身につけさせるだけではなく、若者たちの潜在能力を解放し、自信をつけ、IT業界への道を作ることが目的です。

写真(左)はオリバー

「教育と啓蒙こそが、若者のために持続可能な未来を作るための不可欠な要素です。若者たちの創造力と潜在能力を解放し、成長を促します。こうした取り組みが世界をもっと美しいものへと変えていきます」と、オリバーはKodestarterの意義を話しています。

文化と自然を守りたい

マリオン・クーブレーも立候補の一人です。国際知財部に所属する彼女は、フランス・シャンパーニュ地方の出身です。建築と文化遺産に強い関心を抱いてきました。「貴重な文化遺産を守りたいとの思いから大学では知財を専攻しました」とマリオンは経歴を振り返っています。

仏紙L’Est Éclair電子版、マリオンの古建築保護活動を紹介した記事| 写真はL’Est Eclair サイトより

彼女の取り組みが世の中を動かした出来事がありました。2015年のことです。シャンパーニュ地方のある、古建築の取り壊しが決まりました。マリオンは保存を求めて、ソーシャルメディアにグループを作りました。

その古建設は彼女を含め、多くの子どもたちの遊び場でした。その場所を守って欲しい。マリオンの訴えは多くの賛同を得ました。わずか数日で数千人が支持を表明したのです。地元政府は訴えに応じて取り壊しの計画を撤回し、別のプランを模索することにしました。最終的に、ある企業家がその土地を買収しホテルとして使うことで決まりました。敷地内にある古建築は保護され、今までどおり誰でも入れるように開放されます。

建築だけではなく、自然環境保護もマリオンの関心事です。フランスの東方森林地区自然公園(Parc Naturel de la Forêt d’Orient)の保護メンバーでもあります。マリオンはこの地域付近の農村で育ちました。故郷の自然を保護するために活動していきたいと話しています。

※日本円は2021年9月時点の換算レート、1人民元=17円で計算しています。

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解説・翻訳協力:高口康太、編集:AlibabaNews 編集部

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