アリババグループ、2022 ESG年次報告書を公開

 2021年12月に公開したアリババグループカーボンニュートラル行動報告書の発展形として、アリババグループは2022 ESG年次報告書を公開しました。昨年、中国浙江省で開催された世界インターネット会議において、アリババグループ会長兼CEOのダニエル・チャンは、ESGがアリババの今後の発展のための中核戦略となることを正式に発表しました。


持続可能性について

・ブルームバーグNEFの調査によると、アリババは2021年に中国のテクノロジー企業の中で、最も再生可能エネルギー由来の電力を購入した企業となりました。

・2022会計年度には、クリーンエネルギー利用を促進することで、619,944トンものCO2排出量を削減しました。この間、当社のクラウド部門Alibaba Cloud(アリババクラウド)で使用された電力の21.6%がクリーンエネルギー由来でした。2022年は上半期だけで、2021年通年比150%増となる8億kWh(キロワットアワー)以上のクリーンエネルギー由来の電力を購入しました。
・当社のデータセンターは、電力使用効率(PUE)1.247を達成し、アジアを代表する水準に達しています。

当社のデータセンターは、電力使用効率(PUE)1.247を達成し、アジアを代表する水準に達している

・2022年度には、当社の物流ソリューション部門であるツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)がAIアルゴリズムの活用により梱包サイズを最適化し、梱包材の使用量を平均15%削減したほか、物流倉庫に24.9MW(メガワット)の太陽光発電容量を設置し、CO2換算で16,000トンを削減しました。

菜鳥がAIアルゴリズムの活用により梱包サイズを最適化、梱包材の使用量を平均15%削減

・2022会計年度(2021年4月〜2022年3月)のアリババの温室効果ガス排出量は、CO2換算で1,324万9,000トンとなっています。直接的な温室効果ガス排出量(スコープ1)は、CO2換算92万7,000トンでした。また、事業活動で使用した電力による間接的な温室効果ガス排出量(スコープ2)は、CO2換算で444万5,000トンでした。 そして、バリューチェーンに伴う間接的な温室効果ガス排出量(スコープ3)は、主にEコマース事業における外部委託の輸送・配送サービスでの燃料消費やリースしているデータセンターでの電力購入、梱包材や消耗品の使用、インフラ運用、従業員の出張などから発生するもので、正確に評価できたものはCO2換算で約787万7,000トンとなりました。
・アリババグループは、2030年までにスコープ1と2のカーボンニュートラル達成と、スコープ3の炭素強度50%低減を目標としています。また新たに、スコープ3+を目標に掲げ、2035年までにアリババエコシステム全体で延べ15億トンの温室効果ガス削減を約束しています。アリババグループカーボンニュートラル行動報告書(英語版)もダウンロード可能です。

その他のESGハイライト

アリババは、テクノロジー企業として、より環境に優しく、包括的な社会の実現を目指します。デジタル化は人々の間にかつてないほどの繋がりと連携をもたらし、経済活動と経済発展の恩恵を世界中のより多くの地域へと拡大してきました。アリババは、デジタル技術を最大限に活用し、すべての人々やコミュニティがデジタル化の恩恵を十分に享受できるよう努力し続けます。
・社会的責任を最優先とし、エコシステム内のステークホルダーを巻き込みながら、テクノロジーを活用することは、体系的かつ協調的にあらゆる社会課題を解決し続けていくうえで不可欠な要素です。実業界は、これらのプロセスすべてに関わることで、公共利益に即した解決策や支援を提供することができます。特にアリババのようなデジタルプラットフォーム企業は、テクノロジーを駆使した社会的責任のある事業と社会生活の基盤を構築する上で、ユニークな好位置に着けています。
・アリババは、目標設定における優先順位付け、ESGのビジネスへの統合、バリューチェーンの変革に伴う調整、自社プラットフォームの影響力の拡大、慈善事業などによるESG目標の補完から成る、5つの段階に基づく体系的なアプローチを考案しました。

最後に、以下はアリババが注力するESGに関する7つの戦略的分野です。

①     環境保護
②     従業員への支援
③     持続可能なデジタルライフの実現
④     中小企業への支援
⑤     コミュニティの包摂性と基盤の強化
⑥     参加型社会貢献の促進
⑦     責任ある企業としての社会的信頼構築

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