統計データで読み解く「黄金週」、5億人の大旅行シーズンを分析

解説:

中国では10月1日から1週間の国慶節休暇が、旧正月と並ぶ旅行シーズンとなっている。新型コロナウイルスの影響から海外旅行はほぼ停止しているが、国内旅行は大きく回復し、観光地は大にぎわいとなった。旅行サイトからEC、デリバリーなど多方面のサービスをそろえるアリババグループの統計データからは、中国人がどのように長期休暇を楽しんでいるかがはっきりと見えてくる。

10月1日は、中国の建国記念日「国慶節」です。そして、1日から7日までの1週間の長期休暇は、「黄金週」と呼ばれる旅行シーズンとなります。中国文化・観光部データセンターによると、国慶節休暇期間中の旅行者数はのべ5億1,500万人に達しました。新型コロナウイルス流行前の2019年比で70.1%にまで回復しています。国内旅行関連の売上は、3,890億元(約6兆6,130億円*)を記録しました。
アリババの統計データからは、国慶節休暇旅行の流行が丸わかりです。リゾートホテルや田園生活を楽しむ田舎の民宿、親子旅行などの人気が目立ちました。他にもデータから興味深いトレンドが見えてきました。

・若い人ほど旅行好き

10月1日から3日までの期間、アリババグループ傘下の観光旅行サービスプラットフォーム「フリギー(Fliggy)」での観光地チケット販売数は、前年同期比で100%を超える増加となりました。旅行者の70%弱が1990年代生まれの若者です。若者ほど旅行ニーズが旺盛なことを示しています。

・人気旅行目的地ランキング

北京市がトップとなりました。以下、上海市、四川省成都市、重慶市、陝西省西安市、浙江省杭州市、湖北省武漢市、広東省広州市、湖南省長沙市、雲南省昆明市と続きます。

・ワンランク上の旅行を

1日から7日までの期間、高級ホテルの予約数は9月から380%を超える増加となりました。より高品質で個性的なホテルを求めるトレンドが続いています。高級ホテルでの平均消費金額も9月を30%上回っています。

・ショート・トリップが2021年のトレンド

近場の旅行人気が今年も続いています。フリギーのデータでは、目的地まで車で3時間以内のショート・トリップが2021年国慶節休暇旅行の中心です。全体の60%弱を占めています。

・サーフィン、ダイビングなどの体験型旅行も急成長

フリギーのデータによると、サーフィン、ダイビング関連の予約が9月比で200%超の増加です。キャンプ関連の予約はなんと14倍超、登山やロッククライミングは13倍超という人気です。

・休み前にレジャーの準備

アリババグループのB2C マーケットプレイス「天猫(Tmall)」のデータによると、国慶節休暇前にレジャーグッズの購入が増えていることがわかりました。キャンプ関連は前年9月比50%増、サーフィン関連は30%増、釣り関連は20%増を記録しています。

・農村の民宿旅行が人気

フリギーのデータによると、農村民宿の予約数は9月比で560%超の増加です。2000年代生まれの消費者による予約も400%増と伸びています。雲南省大理市、麗江市、浙江省舟山市、湖州市、安徽省黄山市、広西チワン族自治区の桂林市、北海市、貴州省の黔東南ミャオ族トン族自治州などが特に人気のスポットです。

・旅行先でも外食デリバリー?!

国慶節休暇期間中は、外食デリバリーも人気です。1級、2級の大都市だけではなく、3級、4級の都市での注文が多く、旅行者が旅先で注文していることがうかがえます。アリババグループのデリバリー・プラットフォーム「ウーラマ(餓了麽)」のデータによると、10月1日から7日の期間において、外食デリバリーの伸び率がもっとも高かったのは、湖南省衡陽市、張家界市、河南省商丘市、雲南省麗江市、大理市といった地方都市でした。

データによって、さまざまな中国の国内旅行トレンドが明らかになりました。そして、国慶節休暇中には旅行だけではなく、消費にも動きがあります。

・エコ意識の浸透

アリババグループのマップアプリ「AMAP(高徳地図)」のデータによると、10月1日だけでアプリを利用し、路線バス、地下鉄、自転車、歩行などの手段で移動したユーザーはのべ2,000万人を突破しました。エコな移動手段を選択する人が増えています。

・海外旅行の代わりに越境ECを活用

アリババグループの越境ECプラットフォーム「天猫国際(Tmall Global)、以下「天猫国際」」では、10月1日から7日までの販売額が前年同期比50%超の増加を記録しました。健康食品、ペット用品、食品飲料品、お酒、デジタル家電などが急成長ジャンルです。

消費が旺盛なのは、なにも都市部の住民だけではありません。都市と比べると所得水準の低い地方、農村ですが、ここでも新たな消費トレンドが見えてきました。

・農村における物流基盤が進化

農村の物流ネットワークの整備が進んでいます。アリババグループの物流プラットフォームである「菜鳥網絡(ツァイニャオ・ネットワーク、)」は、中国全土1,000あまりの県をカバーするにいたりました。9月期の農村宅配便数は、前年同月比180%超の増加です。

・地方でもEC人気

地方でもネットショッピングが普及し、またより良いモノを求めるニーズが高まっています。地方を中心に展開するアリババグループの安売りECプラットフォーム「タオター(淘特、旧称は淘宝特価版)」は、10月1日から4日の販売額が前年同期比で120%近い増加となりました。9月によく売れた商品としては、ワインが前年同月比55倍の増加となりました。ほかに伝統薬の「養生丸」が18倍、クッキー入りチョコレートが10倍と伸びています。

・新興地域や農村部でも海外商品は爆売れ

新興地域や農村地域でも海外商品は人気です。天猫国際によると、10月1日から7日の期間、4級以下の都市及び農村地域の輸入商品購入額は前年同期比55%増を記録し、1級、2級の大都市を上回る伸びを見せました。

 

*為替レートは1元=17円で計算しています。

 

解説・翻訳協力:高口康太、編集:AlibabaNews 編集部

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