大英博物館を独り占め!ポストコロナを見すえた超VIPツアーを企画

解説:

新型コロナウイルスによって国際旅行市場が麻痺してから1年以上が経過している。業界にとっては苦しい状況が続くが、空白が長いだけ人々の旅行熱は蓄積されている。収束後に予想される「リベンジ消費」(コロナ禍で延期していた消費を一気に行うこと)をいかに取り込むか。そのために、アリババグループはパートナーとともにデジタル技術を基盤とした下地作りを進めている。

写真は大英博物館。Piotr Wawrzyniuk / Shutterstock.com

新型コロナウイルスの流行が世界の観光市場にもたらしたダメージは甚大です。しかし、危機を克服しようとする、新たなイノベーションも着実に続いています。アリババグループ傘下の旅行サービスプラットフォーム「フリギー(英語名:Fliggy、中国語名:飛猪)」は、パートナーとなる観光地や企業とともに今までにはない新たな価値の模索を続けています。その試みの1つが形となりました。それが8月18日の大英博物館と交わした新たな提携です。他に参観客が誰もいないなかで、プロのガイドによる解説でじっくりと展示物を鑑賞できる、超VIP待遇の参観ツアーが実施され、フリギーで予約販売されることになりました。

この参観ツアーは大英博物館の開館前の2時間、閉館後の2時間に限定して実施されます。他の参観客がいないなかで、じっくりと作品が楽しめる。まさに超VIPなツアーです。4種類のルートから1つ選んで参加することになります。しかも、このツアーには中国語が話せるブルーバッジガイドが帯同します。英国観光ガイド機関による研修を受け、試験に合格したブルーバッジガイドは、英国全土でもわずか600人あまりしかいないプロフェッショナル。中国語が話せるガイドに限れば、その数はもっと少なくなります。彼らによる詳細な文化、歴史の解説を楽しめる。これもまた、ツアーの価値をさらに高める要素でしょう。コロナ禍が続くなか、海外旅行市場はほぼストップしています。現在はこのツアーを楽しめるのは原則として英国在住の中国人だけですが、パンデミック収束後には中国本土からの旅行客も参加が可能です。

コロナというピンチをチャンスに変える

アリババグループはこれまでも大英博物館とのパートナーシップを強化してきました。2018年には大英博物館の公式旗艦店が、アリババのネットモール「Tモール」に開設されました。

そして、コロナ禍の2020年6月には、大英博物館史上初となるバーチャル旅行が実施されました。動画の生配信を通じて、中国の視聴者に大英博物館の展示を紹介するという試みです。コロナ禍で閉鎖され、他に参観客がいないなか、ロゼッタ・ストーンなどの貴重な文化財の数々を独り占めしたかのような気分を味わえる、またとない機会となりました。

写真は2020年6月に実施されたクラウド旅行の一場面。

歴史ある大英博物館ですが、新たなテクノロジーの導入には意欲的です。ハルトヴィヒ・フィッシャー館長は、「我々は新たな手段を通じての、参観客との交流にチャレンジしてきました。フリギーによるバーチャル旅行もその1つです」と話しています。

自由な旅行ができない状況が続いているからこそ、コロナ収束後には旅行を楽しみたいという人々の思いが爆発する。その時にフリギーのような旅行プラットフォームが果たす役割はきわめて重要だと、フィッシャー館長は指摘します。

アリババグループ、そしてフリギーはデジタル技術という自らの長所を生かして、世界の観光産業をサポートしたいと考えています。アリババグループ副総裁、フリギー旅行総裁の庄卓(ジュワン・ユエ)は次のように自らの役割について話しています。

「コロナ禍による観光業界へのダメージは甚大ですが、ピンチとチャンスは表裏一体です。パンデミックによる人々の消費習慣や情報収集チャネルが変化するなかで、いかにチャンスをつかむのか。デジタル化がその答えとなります。なぜならば、さまざまな状況が不確実性を増す現在において、最も確実な未来とはデジタル化の発展だからです。我々はパートナーやプラットフォームのマーチャントとともにデジタル化イノベーションを推進してきました。こうした取り組みこそがコロナ禍で打撃を受けた市場の自信回復を手助けするのです」

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解説・翻訳協力:高口康太、編集:AlibabaNews 編集部

 

 

 

 

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