農村部にも広がるデジタル化の輪、お茶農家がライブコマースで販路開拓
Eコマースというデジタル化の輪は、化粧品、家電、アパレルなどの商材にとどまらず、農産物などまで、幅広い業種や地域に広がっています。
こちらの映像は、湖北省農村部の山奥にある、お茶農園がライブ配信を通じて、ネットユーザーにお茶を紹介・販売している様子です。湖北省にある恩施(おんし)という山に囲まれた町では、主にお茶を生産・販売しています。村の半数以上収入はお茶の販売から得ていますが、新型コロナウイルスの流行によって、地元の観光業や茶館が大きな打撃を受けました。お茶を購入する観光客が町から消え、新茶を仕入れてくれていた茶館やカフェも閉店せざるを得ませんでした。
そのような状況のなか、村の収入源を確保するために、奮闘しているのは茶農家三代目の冉貞友さん(30歳)です。
こちらの動画は、冉さんが村の茶園からライブコマースで全国のネットユーザーに、お茶を紹介・販売している様子です。
今年の春に、ぴかぴかの新茶が収穫されてから、ライブコマースだけでは、3月〜4月の1ヶ月間で、お茶を29万元(約450万円)も売り上げました。キャンペーンを行った日は最もよく売れて、単日売上が3万元(約47万円)だったという。これは、村にある実店舗の一日の売上にも追いついたとのことです。
アリババグループ傘下のライブコマースサービスのTaobao Live(タオバオライブ)は、2019年3月より中国国内で「農村ライブプロジェクト」を発足しました。2020年3月末時点で、農村ライブプロジェクトを通じて、中国2800県(県=農村部の町)のうち2200県に採用され、ライブコマースによって販売された農産物の売上総額は60億元(約930億円)に達しています。
新型コロナウイルスの感染拡大という危機を逆手に取り、中国の農家や中小中堅企業が事業のデジタル化を進めている一例とも言えます。
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