アリババのネットスーパー、「エネルギー・エキスパート」を活用したグリーンな日用品の開発・生産体制を発表

エコシステム全体で持続可能なサプライチェーンを構築

 アリババグループは1月23日、同社のネットスーパー「Tモールスーパー(Tmall Supermarket)」において、アリババクラウドのサステナビリティプラットフォーム「エネルギー・エキスパート(Energy Expert)」を活用し、製品の環境影響に関する啓蒙やグリーンな製品の開発促進などを含む、持続可能なサプライチェーン構築に向けた取り組みを発表しました。また、アリババは大手日用品メーカーの生産拠点においてエネルギー効率の高い生産システムを導入するなど、サプライチェーンに関わるあらゆるステークホルダーとともに持続可能性を追求しています。このような取り組みを通じ、アリババはエコシステム全体においてカーボンニュートラル達成を目指しています。

AI搭載のサステナビリティプラットフォーム「エネルギー・エキスパート」でグリーン消費を促進

 アリババのオンラインスーパー「Tモールスーパー」は、アリババクラウドのAI搭載サステナビリティプラットフォーム「エネルギー・エキスパート」を活用し、マーチャントに対してグリーンな製品開発を促す一方、消費者には製品の環境影響について啓蒙する取り組みを開始しました。2022年4月の開始以来、Tモールスーパーでは生分解性カップから堆肥化可能なベイキングペーパーまで、20種類のグリーンな自社ブランド日用品が開発されています。また、Tモールスーパーは、カーボンラベルを導入したマーチャントにインセンティブを与えており、エコフレンドリー製品を購入した消費者には、アリババの炭素台帳「88炭帳戸」にて特典と交換可能なポイントを付与しています。

消費者はTモールスーパーの自社ブランド製品のカーボンフットプリントを確認することが可能(写真出典:アリババグループ)

工場の生産・運営に持続可能なシステムを導入

 アリババは、ユニリーバやネスレなどの大手日用品メーカーと協力し、サプライチェーンにおける生産・運営改革を推進しています。エネルギー・エキスパートでテクニカルマネージャーを務める袁燦(ユエン・ツアン)は次のように述べています。「中国の小規模工場の多くは、取引先企業からの指摘がない限り、持続可能な生産・運営に対して前向きではありません。また、これらの工場には、持続可能なシステム構築に不可欠なデジタルインフラもないため、アリババがグローバル企業と提携し、サプライチェーンに変革をもたらすことが必要でした」

 アリババは、中国で日用品メーカー向けに製品を生産しているRuikang Technologyと提携し、生産ラインの古い機械をエネルギー効率の高い新しい機械に交換するよう提案しました。これにより140トンの二酸化炭素排出量と年間30万キロワット(kWh)もの電力が節約され、これは中国における約400人分の年間家庭電力消費量に相当します。アリババは、同社に対して梱包材を生分解性素材に切り替えるよう推奨するほか、工場の廃熱から温水を回収する計画を考案するとともに、ソーラーパネル設置による再生可能エネルギーへの移行も支援しました。

アリババクラウド、Ruikang Technologyの二酸化炭素排出量削減計画の立案を支援(写真出典:アリババグループ)

 英の大手コンサルティング会社のアーンスト・アンド・ヤングによると、組織の温室効果ガス排出量の90%以上、そして運営コストの最大70%はサプライチェーン由来となっています。

 アリババは上記のような取り組みを実施することで、2035年までにエコシステム全体の二酸化炭素排出量を15億トン削減するという目標を掲げています。何百万ものマーチャントと何十億人もの消費者を抱える巨大プラットフォーム企業として、アリババは、気候変動問題に真摯に取り組み、持続可能な未来社会の構築に貢献するため、今後も環境に優しいグリーンな取り組みの実施と強化を続けていきます。


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