エコと低炭素に注力。2021年天猫ダブルイレブンはSDGsに配慮したセールへ

今年で13回目となる天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル(以下「天猫ダブルイレブン」)には、史上最大規模となる29万以上のブランドが参加しました。天猫ダブルイレブンを通じ、12年間にわたり力強い成長を成し遂げたアリババグループは、その社会的意義を確立するためのシステム構築に焦点を移しました。その中でも、今年の天猫ダブルイレブンの持続可能性と社会的意義を高める上でのキーポイントは、エコと低炭素です。

アリババグループの会長兼CEOであるダニエル・チャン氏は、今年9月に中国の浙江省烏鎮で開催された世界インターネット大会において、ESG戦略はグループが負う2つの社会的責任の内の1つであると発表しました。またダニエル・チャン氏は、アリババが健全で持続可能な企業になることを目指す一方で、ビジネスパートナーや顧客と共に環境に配慮した持続可能な新しいビジネスエコシステムを構築しているとした上で、次のように述べました。「これは一般の方々の環境保全に対する願いを、社会的に価値がある形で体現する最新の試みです。どんなに小さなエネルギーでも、それが積もり積もって山となり、いずれ社会の変革を促進する大きな力となることを信じています。」

今年の天猫ダブルイレブンの詳細については、以下のWebページをご覧ください。
【特集】2021天猫ダブルイレブン: https://jp.alibabanews.com/sp_2021_tmall_double11/

目次

・天猫ダブルイレブンは炭素削減のための巨大な試験場:アリババグループ最高技術責任者(CTO) チェン・リー

・梱包からリサイクルまで。物流のあらゆるフェーズでグリーン化を推進:菜鳥網絡 副社長兼グリーン物流プロジェクト責任者 牛智敬

・エコ消費促進のため、初の特設オンライン売場「グリーン会場」を設立:天猫(Tモール)イベントマーケティングセンター責任者 鄭黎清

エコと低炭素が今年の「天猫ダブルイレブン」の持続可能性と社会的存在価値を高める上でのキーポイントとなります

天猫ダブルイレブンは炭素削減のための巨大な試験場

アリババグループの最高技術責任者(CTO)であるチェン・リーは、今年4月、CO2排出のピークアウトとカーボンニュートラルに向けた進歩が新しい技術革新を生み出す可能性が高いと述べました。

技術革新の観点からみて、アリババは少なくとも以下の3つの方法により炭素削減にアプローチすることが可能です。

・アリババグループ自身のCO2排出量削減

・プラットフォーム企業としてパートナーと業界の脱炭素をサポート

・より広範なグリーンで低炭素な消費の促進

チェン・リーは、天猫ダブルイレブンが巨大なマーケットであるのみならず、炭素削減のための巨大な試験場でもあるとしています。今年の天猫618ショッピング・フェスティバルでは、注文当たりのCO2排出量が昨年に比べて約18%削減されました。同氏は今年の天猫ダブルイレブンにおける各取引とGMV(流通総額)ごとのCO2排出量が、以前と比較してさらに最適化されることへの期待を表明しました。

CO2排出量の改善を実現するには、データセンターのグリーン化、クラウドを介したコンピューティング・パワーの共有、リソース調整の改善、コンピューティングプロセス自体のグリーン化など、一連の技術的ソリューションが必要です。

アリババクラウドのデータセンターは、過去数年間で低炭素化に移行しています。昨年2020年、アリババクラウドが中国本土に設立したスーパーデータセンターは、CO2排出量を約30万トン削減しました(削減量は前年比127%増)。その中で、広東省河源市のデータセンターは、深層湖水冷却方式を導入しました。早ければ2022年にアリババグループ初のカーボンニュートラル・スーパーデータセンターとなる予定です。

梱包からリサイクルまで。物流のあらゆるフェーズでグリーン化を推進

アリババグループの物流プラットフォーム企業である菜鳥網絡(ツァイニャオ・ネットワーク、以下「菜鳥」)は2016年、産業パーク、倉庫での保管、梱包、輸送、リサイクルの全てにおいて、総合的にグリーン化を推進する「グリーン物流プロジェクト」を開始しました。

菜鳥の副社長兼グリーン物流プロジェクトの責任者である牛智敬は、グリーン化とCO2排出量の削減は企業の責任であるだけでなく、新たなビジネスチャンスでもあるとみています。牛智敬は、物流パッケージのリサイクルに関する見解を述べています。それによれば、団地などの居住地域におけるパッケージリサイクルへの参加率は約20%、大学のキャンパスにおける参加率は30%から40%に達する見込みであるとしています。また、若い消費者たちの意欲が、企業をグリーン化への投資に継続的に駆り立てていくであろうとも述べています。

牛智敬はさらに、「企業にとってCO2排出のピークアウトとカーボンニュートラルへの取り組みは責任であるだけでなく、高品質化に向けた技術開発の機会でもあります。グリーン化のために費やす一時的なコストは、長期的な競争力を生み出し、高品質製品開発のチャンスを生み出すことになります」と述べました。

11月1日以降中国の6万の菜鳥ステーションが消費者に対してパッケージのリサイクルを奨励しています

2021年の天猫ダブルイレブンにおける菜鳥リサイクルボックスの取り組み

菜鳥リサイクルボックスを各地に展開:11月1日から、中国の6万の菜鳥ステーションが、消費者に対してパッケージのリサイクルを奨励しています。20都市の1万を超えるステーションもパッケージ材料をリサイクルするミッションを負い、「リサイクル物流」を実現します。

・リサイクルを促進するための「個人によるCO2削減表」の開始:消費者のグリーン物流に対する意識を高め、消費者のグリーンリサイクルの実践を促進するために、菜鳥は11月1日に新機能を発表しました。消費者はタオバオアプリ、菜鳥アプリで「快递包装回收(エクスプレスパッケージリサイクル)」と検索し、天猫ダブルイレブンのwebページに入ると、2020年11月1日以降の個人のCO2削減量が表示され、独自の「個人によるCO2削減表」を作成できます。

・EC出店企業と協力したリサイクルの呼びかけ:天猫ダブルイレブン期間中、菜鳥は200以上のマーチャント(加盟店)やブランドと共に「グリーンパッケージアドボカシー」を呼びかけ、すべての人がパッケージの回収とリサイクルに参加することを奨励しました。

環境に優しい消費促進のため、初の特設オンライン売場「グリーン会場」を設立

天猫ダブルイレブンのグリーン消費を促進する今年初の試みには、以下が含まれています。

・タオバオのモバイルアプリ内に特設売場「グリーン会場」を立ち上げ

・環境負荷の低いエコ認定製品に認証マークを表示

・合計1億元(約17億8,000万円*)のグリーンクーポンを消費者に発行

・持続可能なライフスタイルの実現に向けて14ブランドと共同で取り組む業務提携を締結

天猫(Tモール)イベントマーケティングセンターの責任者である鄭黎清は、今年の天猫ダブルイレブンの主要なプランナーの1人です。鄭氏は、今年の天猫ダブルイレブンのグリーン化についてのプランについて、次のように語りました。「我々のチームは本イベントの準備段階において、天猫ダブルイレブンの12年間の経験を踏まえ、消費者とマーチャント(出店者)の顧客価値という基本の下、いかにして天猫ダブルイレブンをさらに発展させることができるかという事について考えました。同時にグリーン消費トレンドがプラットフォーム上でますます顕著になっていることを踏まえ、我々のチームは今年の天猫ダブルイレブンの会場を設計する際に、グリーン消費に対する消費者の需要に応え、さらなるグリーン消費を提唱することを望んでいます。」

今年新たに設置されたグリーン会場は、これまでの天猫ダブルイレブン史上初めて設置された特設ページです。「グリーン化、低炭素」をテーマに、中国の主な八つの評価基準、緑色食品、有機食品、CCEP認証(中国環境保護産品)、中国低炭産品、緑色産品、エネルギー効率ラベル(中国能効標識)、水利用効率ラベル(中国水効標識)、新エネルギー車基準(新能減汽車標準)に認定された商品が会場に並びます。「グリーン会場」は、食品、インテリア、家庭用電化製品、ベビー用品という4つの主要カテゴリの約50万の製品をカバーし、2,000を超えるマーチャントがグリーン及び低炭素製品を供給します。「購入額200元以上で30元引き」という今年の天猫ダブルイレブンの通常のクーポンに加え、「グリーン会場」の商品については、さらにグリーンクーポンを利用することができます。ユーザーは、タオバオのモバイルアプリで「グリーン天猫ダブルイレブン(緑色天猫双十一)」と検索すればすぐに「グリーン会場」ページが表示されます。11月1日から3日までの販売期間では、48のマーチャントのグリーン商品の取引額は1,000万元(約1億7800万円※)を超えました。今年の天猫ダブルイレブンの期間中、Tモールで1台のグリーン家電を購入すると、デジタル決済アリペイ(Alipay)が運営している植林ミニアプリ「アントフォレスト」で最大18,400グラムのポイントを獲得することができるなどの施策を通して、消費者のグリーン消費を促進しています。11月5日、Tモールは初めて天猫ダブルイレブンのグリーン製品の売上高ランキングを発表しました。今年は「省エネ」、「低炭素」、「オーガニック」がホットワードになりました。このランキングには、グリーン家電、グリーン食品、節水製品、新エネルギー車の4つのカテゴリの商品が含まれています。特に新エネルギー車は最も急速に成長している環境に優しい移動手段であり、新しい消費のホットスポットになっています。

 

タオバオアプリ内の特設売場「グリーン会場」

 

今年の天猫ダブルイレブンは、消費者にグリーン製品の購入を奨励するだけでなく、マーチャントに対してもグリーン生産を奨励しています。同氏は「グリーン消費を願う消費者が、本当の意味でグリーン生産に向き合っている企業の商品を見られるようになることを願っています」と述べています。

11月2日、アリババのECプラットフォームである天猫(Tモール)と14のブランドが「グリーン・マーチャント・アライアンス」を結び、それと共に「グリーン・マーチャント・アライアンス・アドボカシー」を発表しました。グリーンで低炭素なライフスタイルを提唱し、生産・電力・データセンターとロジスティクスにおけるグリーン化の推進と普及、さらに商品と物流パッケージのグリーン化の持続、植生、土壌保護、海洋保護などの公共福祉活動を共同で促進します。最初のグリーン・マーチャント・アライアンスのメンバーには、下着ブランドのAIMER、家電ブランドのHaier(ハイアール)、新エネルギー車ブランドの小鵬(Xiaopeng)、浄水器ブランドのBrita、化粧品ブランドInnisfree(イニスフリー、ゲーム周辺機器ブランドのRazer(レイザー)、カプセル式コーヒーメーカーのNespresso(ネスプレッソ)が含まれます。これらの企業は、製品、生産、および公共の福祉活動の観点から、さまざまなグリーン化活動を実施しています。

 

※1人民元=17.8円のレート(11月時点)で換算しています。日本円は参考値です。

関連記事:

アリババ傘下の物流プラットフォーム「菜鳥」が進推するエコな「グリーン物流プロジェクト」

アリババグループ会長兼CEO張勇が企業の社会的責任2大戦略を発表、ESGと「共同富裕」の推進に向けて

5年間で6億人以上のユーザーが参加。3億本以上を植樹したアリペイ「アントフォレスト」の取り組み

Tモール アリババ エコロジー グリーン物流 サスティナビリティ タオバオ 天猫ダブルイレブン 菜鳥