勝利の方程式は、「持続可能な製品×デジタルチャネル」 タイのプラスチック輸出企業Plastmaxの例
概要:持続可能性が今のように注目されていなかった数十年前から、あるタイの企業は循環型経済がもたらす可能性を察知していた。再生プラスチック素材の製造と輸出を専門とするPlastmax社は、廃棄物回収業者からプラスチックを調達し、再生ペレットを製造することで、会社を成長させてきた。新型コロナウイルス感染症の流行の影響で事業環境が大きく変化するなかでも、アリババのEコマースプラットフォームAlibaba.comで安定した販路を確保し、新規顧客を獲得している。
現代社会は急速に変化しており、企業は進化する市場や消費者ニーズに柔軟に対応する必要があります。
2021年10月、国際的なコンサルティング会社であるサイモン・クチャーアンドパートナーズは、世界の消費者の3分の1以上(34%)が、持続可能な製品やサービスに対してより多くの対価を支払うことを厭わないという調査結果を発表しました。 同年、PwCが行った調査では、タイの消費者の約80%が、過去6か月間に商品やサービスを購入する際、より環境への配慮をするようになったと回答しています。
これらの調査は、環境の持続可能性が単なる流行語ではなく、消費者の購買決定や企業への支持の要因としてますます重要になりつつあることを示しています。
循環型経済への貢献のため、再生ペレットを製造
1997年に設立されたPlastmax社は、タイの再生プラスチック素材の製造・輸出企業で、同社の創業者たちは、消費者が持続可能性に注目するかなり前から、循環型経済が事業にもたらす可能性に気付いていました。市場の先駆者である同社は、廃棄物回収業者からプラスチックを調達・選別し、椅子、バスケット、衣類ハンガーなどの原材料となる再生ペレットを製造することに経営資源を集中しました。
Plastmax社の2代目経営者であるNattanun Sripremanan氏は、「再生ペレットを使用することで、廃棄物や二酸化炭素排出量の削減に貢献できるだけでなく、従来のプラスチックを低コストで置き換えることができる」と述べています。今や持続可能性は単なる飾りではなく実際に消費者に求められており、会社の成長性は非常に大きいです。
しかし、困難な時代であっても事業を継続的に成長させるためには、高品質な製品を提供するだけではなく、持続可能な販路を確保することが必須です。そこでPlastmax社は、オフラインからオンラインへ販売の軸足を移行することに決めました。
オンラインで新天地を切り開く
多くの製造業と同様、Plastmax社も当初はオフラインのチャネルで海外顧客にアプローチを始めました。大学卒業後同社に入社して約10年が経った頃、Nattanun Sripremanan氏は、海外市場の見本市に参加するには時間と費用が多くかかり、時間的・地理的制約から商談機会も限られると考え、より革新的な事業のあり方を模索し始めました。中国でのEコマースの発展に注目し、企業間取引(B2B)に焦点を当てた取引プラットフォームを探すなかで、最終的にAlibaba.comを試すことにしました。
Alibaba.comは2000万人以上のアクティブバイヤーを抱えており、持続可能な商品を求める者も含め、世界中の様々な業界のバイヤーに利用されています。Alibaba.comには、Plastmax社が事業機会を逃さないように、様々なサポート機能やサービスが充実しています。これらの機能の1つであるリアルタイム翻訳機能付きインスタントメッセージでは、出展企業とバイヤーが直接つながり、迅速にコミュニケーションすることができます。また、Alibaba.comの見積依頼機能により、Plastmax社のような出展企業は、自社の専門性に適した調達要望に積極的に対応できるようになります。
Alibaba.comに出展して以来、Nattanun Sripremanan氏は以下のような成果があったと指摘しています。
- メーカーや商社などバイヤーからの問い合わせは、1日平均10件以上。
- 世界中からバイヤーが自然に集まり、購買意欲も高いことが多い。新型コロナウイルス感染症流行前は、飛行機で直接タイに飛び、Plastmax社の工場を見学して注文する人もいた。
- アフリカ、ブラジル、ウルグアイなどの新市場にも事業を拡大。これらの市場のバイヤーは通常、アジアから再生ペレットを注文することはないが、Plastmax社はオンラインショップにおける迅速な対応と情報更新により、顧客からの信頼を獲得し、これまでにコンテナ数十個分の注文を獲得している。
- 現在、Plastmax社の海外顧客の80%はAlibaba.com経由で獲得しており、バングラデシュ、スリランカ、日本、オーストラリア、イタリアなどの顧客を含む。
「このような環境の中で、オンラインを通じて新しいB2Bのお客様を獲得し続けられることに感謝しています。新型コロナウイルス感染症の流行がオフラインの商談を制限するなか、Plastmax社はオンラインで新規顧客を獲得し、繁盛しています。コロナ禍で、バイヤーはオンラインで調達チャネルを探すようになっており、もし私たちもオフラインの展示会のみで営業をしていたら、このような機会を逃していたかもしれません」とNattanun Sripremanan氏は述べています。
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