アリババ株、越境EC 「Tmall Global」 を活用した日中医療ツーリズム事業の開始を発表

― 日本の医療・美容企業の中国進出支援サービスを提供 ―

8月21日、アリババグループの日本支社・アリババ株式会社は、同グループ傘下・中国最大級の越境ECプラットフォーム「Tmall Global(Tモールグローバル、天猫国際、以下、Tmall Global)」を活用した、日中医療ツーリズムの新事業を開始することを発表しました。

 本事業は、訪日する中国観光客を対象とした検診・人間ドックなどの自費診療サービスの提供を第1弾としています。検診や人間ドッグなどのサービスを提供する日本の企業や団体が、Tmall Globalに公式店舗を出店することで、中国の消費者に直接アプローチし、正確な情報を提供し、オンラインによる予約サービスが可能になります。アリババ株式会社は、医療のオンラインサービスに精通した中国 GLZHealth(オリーブ・ブランチ・ヘルス)社と連携し、Tmall Globalへの開店・進出の支援および、開店後の店舗運営を支援していきます。

左から:Tmall Global グローバル事業開発 ゼネラルマネージャー 趙戈、株式会社HIROTSUバイオサイエンス 代表取締役 広津崇亮氏、GLZHealth 創業者兼CEO 鄧瑰瑋氏、アリババ株式会社 代表取締役社長CEO 岡田聡良

 アリババ株式会社 代表取締役社長CEO 岡田聡良は、本事業を開始するにあたり、以下のようにコメントしています。「医療というキーワードで、日本と中国を結び付けるサポートが出来ればと願っております。インバウンドが回復し、中国の訪日客がモノ消費からコト消費に変わっていく中、我々がぬくもりあるサービスの提供を目指していきたいと考えております。」

アリババ株式会社 代表取締役社長CEO 岡田聡良

 中国では、海外旅行の需要と輸入商品への購買意欲が回復し、新型コロナウイルスの脅威に晒された経験から、「自らの健康は自らが守るもの」という健康に関する意識がより強くなり、人々は高水準な生活と自身と家族の健康に対する関心が非常に高くなってきています。Tmall Globalでは、日本のOTC医薬品やサプリメントが、非常に人気でよく売れています。また、今年6月に行われた全国的なECショッピングの祭典「618商戦」では、Tmall Globalにおける日本ブランドの売上の中で、ヘルスケア関連の商品が2位になっており、著しい成長を見せています。旅行プラットフォームFliggyにおいて、海外旅行の商品の売上からみると、日本は最も人気のある海外旅行先として選ばれています。このような活況を呈する健康需要と日本への旅行需要を捉え、Tmall Globalは、世界中の優れた商品だけではなく、日本など海外の高品質なサービスが中国の消費者に届けられるように取り組んでいます。新たに展開する「医療ツーリズム」事業では、世界に先駆け日本が最初の投入国であり、第1段階として、病気を未然に防ぐための予防医療である早期発見の検診や健康診断といった医療サービスを提供します。

 本事業に参画した株式会社HIROTSUバイオサイエンスの広津代表取締役は下記のようにコメントしています。「中国には14億人の市場があり、高齢者に限らず若い世代でも健康志向が高まっており、自国にない医療サービスへの関心が強くなってきているため、ビジネスチャンスがあると考えています。「N-NOSE」は嗅覚に優れた線虫が人の尿中に含まれるがんの匂いを検知することを利用したがんの一次スクリーニング検査であり、このような生物を用いたがんリスク検査は世界初の技術です。このたびアリババグループが運営する中国最大の越境ECプラットフォームTmall Globalに出店することで「N-NOSE」という検査をより多くの中国消費者に知っていただき、がんの早期発見に役立てていただきたいと考えています。」

 アリババ株式会社とTmall Globalは、中国消費者の健康需要に応えるため、医療ツーリズム事業を推進していくと共に、事業を段階的に進め、価値のある幅広い医療サービスを投入していきます。今後、第2段階として、Tmall Globalにて美容医療サービスを展開していく予定です。

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